ver. 2022.07
(スマホで見ると一部の文字が間違って表記されたり、英文がトンチンカンに訳されます。)

鳴沢真也

兵庫県立大学 天文科学センター 博士(理学)

世界合同SETI計画プロジェクトリーダー
専門:SETI(テクノシグネチャー探査)、天体物理学(←実は、これが本来の専門です)
Dr. Shin-ya Narusawa (English page)

まず、最初に一言

まだ発見はないですが、宇宙における星の数を考えれば、地球外知的生命、地球外文明はきっと存在するでしょう。 ただしそれは、想像を絶する遠方の存在です。 なぜなら、知的生命への進化は偶然に偶然が重なった結果であり、ゆえに、 文明間の距離は甚大だからです。 乗り物に乗って地球に到来したという客観的な証拠はありません。

マスコミの方へ。私はUFOを探しているわけではありません!


講演の依頼について

まずは、下記アドレスにメールをください。それからやり取りしましょう。

SETI, 一言でいえば?

MP4 約2分
SETIという言葉を初めて聞かれた方は、まずはこれをご覧下さい。サイエンステーチャーの佐々木さんが解説します。
ただし、私が専門のレーザSETIについては略してます。
(見直すと、背景を考えるべきだった・・・)

世界初!マジック波長について論文で発表しました

2018年、 光学SETIでの”マジック波長”について、世界で初めて提唱した論文を出しました

Which Colors would Extraterrestrial Civilizations use to transmit Signals?: The “Magic Wavelengths” for Optical SETI
Narusawa, S., Aota, T. & Kishimoto, R. 2018 New Astronomy 60, 61

IAAにて世界で初めてマジック波長を提唱しました


2015年3月。パリでのIAA(世界宇宙航行アカデミー)に参加して、光学SETIでの”マジック波長”について、世界で初めて講演をしました。

臼田64 mでの地球外知的生命へのメッセージ送信に協力しました


2013年9月、2014年8月。JAXAスペースキャンプのメインイベントです。 日本では1995年ぶりのメッセージ送信。
ターゲットは、かに座55番星で、Xバンドでの送信です。

IACで講演しました

第64回IAC国際宇宙会議(2013年9月北京)でドロシー計画となゆたOSETIについて発表しました。

“Project Dorothy: World joint SETI observation to commemorate the 50th anniversary of project OZMA.”
(IAC-13.A4.1.2)
↑ドロシー計画に関するレポートが、Rudolph Pesek特別講演に採択されました。

地球外文明発見時におけるIAA議定書の改定案も提唱しました。
“NAYUTA OSETI: Optical SETI with the largest telescope in Japan.”
(IAC-13.A4.P.2)


IAA(世界宇宙航行アカデミー)のSETI委員長クラディオ・マッコーニ博士(左)とDr. SETIこと副委員長のポール・シャック博士と。

世界合同SETI『ドロシー計画』

2010年11月、オズマ計画50周年記念・世界合同SETI『ドロシー計画』

 
↑ プロジェクト・マネージャーをしました。クリックして下さい。(英文)

AbSciCon 2012

AbSciCom(宇宙生物学研究会)2012(アトランタ)にて、 ドロシー計画について発表を行ないました。(2012年4月17日)
Narusawa, S. et al. (2012)
“Project Dorothy: Worldwide Joint SETI Observation to Commemorate the 50th Anniversary of Project OZMA”
Societal Impact of Discovering Extraterrestrial Life Posters (#2437)”

全国同時SETI『さざんか計画』


↑ 2009年11月に行った全国同時多地点多波長SETI観測実験『さざんか計画』の紹介(英文)です。クリックして下さい。

『さざんか計画』は、NHK教育『サイエンス・ZERO』、TBS『夢の扉』などでも紹介されました。

AbSciCon 2010

2010年4月にヒューストンで開催されたAbSciCom(アストロバイオロジー国際研究会)2010で『さざんか計画』について発表してきました。
Narusawa, S. et al (2010)
“Project SAZANKA; The Multi-site and Multi-frequency Simultaneous SETI Observation in Japan” (#5074)(英文アブストラクト)


これはチェアーマンのダグラス・バコチ博士(SETI研究所)からのお誘いを受けたものです。写真はかのフランク・ドレイク博士と。
ヒューストン訪問記(SaYo555さんのtogetter)


SETI研究会2007

2007年11月3日、4日に西はりま天文台でSETI研究会を開催しました。


この会議の一部で、IAAプロトコル(下記FAQ参照)に関連して国内の研究施設で太陽系外文明からの電磁波を検出した場合にとられる対応についての議論がありました。
一部のマスコミは、一般の方などが、もしUFOを目撃したり、町で宇宙人に遭遇したらどこに通報するかについて決める会議だったかのような報道をしていますが、そのようなことはまったく前提としておりません。誤解のないようにお願いします。
国立天文台 アストロ・トピックス (346) 地球外文明、検出したらどこに報告?−SETI研究会が開催されました−

なゆたOSETI


↑ 日本最大(当時)の望遠鏡で行なった日本初の光学SETI実験です(英文)。クリックして下さい。

なゆた光学SETIをまとめたショートレポートです。
Optical SETI observations with the NAYUTA telescope (pdf)
Narusawa, S. & Morimoto, M. 2007 Annu.Rep.Nishi-Harima Astron. Obs. 17, 1

Optical SETI observations with the NAYUTA telescope II (pdf)
Narusawa, S. 2011 Annu.Rep.Nishi-Harima Astron. Obs. 21, 1

AbSciCon 2012

なゆたOSETI(一般の方の体験を含む)とIAAプロトコル(下記FQA参照)の改定案について発表しました。
Narusawa, S. & Sakamoto, M. (2012)
”OSETI with the general public and discussion on the IAA SEI protocol”
Societal Impact of Discovering Extraterrestrial Life Posters (#2436)

なゆた光学SETIは科学雑誌「Newton」2006年10月号でも紹介されました。
NHK教育『高校講座・理科総合』、『高校講座・地学』、TBS『学校へ行こう』などでも紹介されました。

山片蟠桃

 日本人で初めて地球外知的生命についての記述をした人物、山片蟠桃(やまがた ばんとう)。山片蟠桃は兵庫県高砂市出身の江戸時代の町民学者です。その著書「夢之代」(1820年)のなかで、「他の惑星にも日があたり、草木が生えています。虫もいるし、魚や動物もいるでしょう。そしてきっとそれぞれの惑星には人もいることでしょう。神仏のような空想上のものではありません(現代風に訳)」と書いています。



↑ 山片蟠桃像。兵庫県高砂市神爪地区にて。鳴沢撮影。

著書(単著のみ)

2020年 『連星からみた宇宙 超新星からブラックホール、重力波まで』(講談社ブルーバックス)

2018年 『天文学者が、宇宙人を本気で探しています!』(洋泉社)
SETIの最新情報満載

2016年 『へんな星たち 天体物理学が挑んだ10の恒星』(講談社ブルーバックス)

2013年 『宇宙人の探し方 地球外知的生命探査の科学とロマン』(幻冬舎新書)
これまで日本では紹介されていなかったことを含めかなり詳細です。

2012年 『ぼくが宇宙人をさがす理由』(旬報社)
主に上記ドロシー計画自など。
第59回青少年読書感想文全国コンクール の課題図書(中学校の部)に選ばれました!

2009年 『宇宙から来た72秒のシグナル』(KKベストセラーズ)
主に「さざんか計画」について。
(タイトルの「72秒」はWow!シグナルの継続時間です) 正誤表

2009年 『望遠鏡でさがす宇宙人(旬報社)
全国学校図書館協議会・第21回読書感想画中央コンクール指定図書に選ばれました。 

  2006年 『137億光年のヒトミ』(草炎社)
内容は、なゆたOSETIなどについて。
中学国語教科書(光村図書)で推薦図書
第26回とっとり感想絵てがみ、感想文コンクールの課題図書他、各種優良図書に指定されました。
読売新聞書評「渡部潤一が選ぶ2006年のベスト3」にも入れてもらいました。

FAQ

一般の方やマスコミの方によく聞かれる質問にお答えします。

Q. 鳴沢さんは、UFOを見つけてるんですか?

A. 私は、UFOをみつけているのではありません。
空中に素性のわからないものが飛んでいることと太陽系外文明の存在とは全く次元の違う議論です。 本来の意味のUFO(未確認飛行物体)は存在するでしょう(私も目撃してます)が、それがエイリアンクラフト(地球外知的生命の乗り物)だとする証拠はありません。


Q. 「UFOを目撃しました」、「空から宇宙人が舞い降りてきました」、「壁に穴があいてそこから宇宙人の親子がでてきました。私の枕元でじゃんけんをしていました」、「私はいつも宇宙人の声が聞こえます」、「私の体内には宇宙人が住んでいます」、「スーパーに行ったら頭上からオーロラのような光が差し込んで来ました。宇宙人からのメッセージですか?」、「月には宇宙人の基地があります。かぐや姫は実在しました」、「土星のリングには異星人の宇宙船が隠されています」、「宇宙人はオーラで探すのがいいと思います」、「宇宙人は5次元、6次元の世界に住んでいるのです」、などなど(多数の質問やコメントが寄せられますが・・・)。

A. 私の専門はSETI(テクノシグネチャー探査)です。電波やレーザなど地球外文明(技術)の兆候の検出が目的です。このような質問にはお答えできません。

私は本来の意味のUFO(未確認飛行物体)の専門家ではありません。UFOを目撃されたら、その分野の専門家に問い合わせてください。
Q. 宇宙人は地球に来ていますか?

A.  異星人が地球に来ている(来た)という客観的、つまり多くの人が納得してくれる証拠は一つもありません。私たちは「地球外」の文明を捜索する事が研究ですので、地球にもし仮に異星人が来ていたと仮定しても、それについては専門外ですので、まったくコメントできません。・・・というか、証拠が無いので、それ以上の議論はできません。

後にも触れてますが、文明の数密度はかなり小さいと思います。ゆえに文明間の距離は甚大です。地球外の生物が、生身の体で乗り物に乗って地球にやってくるなどということは、考えにくいです。 莫大なエネルギーや時間や予算を使って、わざわざ地球に来る意味がないでしょうし (話が複雑になるので、深入りしませんが、地球外知的生命はデジタル生命になっている可能性もありますので)。


Q. では、ワープやワームホールで宇宙人は地球に来れませんか?

A. これも私の専門から逸脱しますが、机上の計算では原理的にはできなくもないようです(興味ある方は、アルクビエレ・ドライブ、エキゾチック粒子のマイナスのエネルギーなどを勉強してください)。 しかし!、現実的には、いくら高度な文明をもったとしても、実際にそれを実現するのは、まず無理でしょう。


Q. 火星人はみつかりますか?

A. 太陽系内にも原始的なものなら生命が存在する可能性を持った天体がいくつもあります。しかし(地球以外の)太陽系内の天体には、文明は存在していないでしょう。私たちのターゲットは、太陽系外の天体です。


Q. 宇宙人はどんな姿をしていますか?

A. まず、私たちが望遠鏡を直接のぞいて見て太陽系外の文明を探していると思っている方がおられるようですが、そうではありません。

地球外知的生命はその惑星の環境に適応した形態に進化しているはずです(あまりにも地球とは異なる環境では生命そのものが存在していないと思います)。 地球とよく似た環境の惑星では、収斂進化によって地球人とあまりかわらない姿形となっていると思います。

拙著『天文学者が、宇宙人を本気で探しています!』(洋泉社)に私が考える地球外知的生命の姿形、顔が描かれてますので、ご参照くささい。


Q. 宇宙人はほんとうにいますか?

A. (まだ発見はないですが)地球外知的生命は、存在しているはずです。
「事象の地平」(人類が原理的に観測可能な範囲、宇宙の地平線)だけでも、恒星の数は10の23乗と推察されております。 これは世界中の海岸に存在する砂の数よりまだ桁が多いです。これだけの星があれば、その中で知的生命は地球人だけと考えるのはいかがなものでしょうか?

ただし、文明の数密度(頻度、いわゆるドレイク方程式のNとも言える)については、科学者によって温度差があります。 私は、かな小さい派です。なぜかというと、知的生命までの進化は偶然に偶然が重なった奇跡的なものと考えるからです。 ただ数密度の定量的な(具体的な)数値を出すまで、まだ人類の科学は進歩していないと思います。


Q. 鳴沢さんは、宇宙人(の存在)を信じていますか?

A. 太陽系外文明の存在は「信じる」とか、「信じない」とかいうものではありません。宗教ではないのですから。


Q. 宇宙人が本当に見つかったら、どうするのですか? 

A. IAA(国際宇宙航行アカデミー、国連が承認しているNGO)が「その時」にどう対応するかのガイドライン、 地球外知的生命探査の指針に関する宣言」(IAAプロトコル) を草案・採択しています。私たちもそれに従います。 8条ありますが、4大原則は以下です。

1) 徹底検証
2) 未確定な段階での公開の禁止
3) 確定後の隠蔽の禁止
4) 国際的な同意前の返信の禁止


Q. 今までのSETI観測、何か兆候はありましたか?

A. 私が観測したデータについては、徹底的に分析していますが、それらしき兆候は今のところありません。

しかし海外では、電波観測でも光学観測でも、何件もの兆候が観測されており、天文学界で最も権威ある学術誌に報告されているものもあります。 もっとも有名なものが、いわゆる『Wow信号』です。 これは、1977年に受信された電波ですが、現在でも議論が続いており、今後も研究が行われるべき事例です。
しかし、(Wow信号も含め)いずれも再現性がないものばかりなので、地球外文明の発見とは言えません。

上述のようにIAAプロトコルでは、確実に発見と確認できた場合は、それを隠すことが禁じられています(第3条)。したがって、現在までのところ地球外文明の確実な発見は「ない」と断言してよいでしょう。


Q. 交信するには、ものすごい時間がかかりますよね?

A. SETIの第1目的は、まず地球外文明からの電波や光の「検出」です(もちろん、これでだけでも人類史上の大発見ですが)。ひとまず「交信」は前提としておりません。

こちらから地球外文明(が存在すると仮定する星)にむけて、メッセージを送ることは"METI"または"Active SETI"などと呼ばれていますが、SETIとはまた異なる分野です。

なお、もしSETIが成功して地球外文明が発見されても、上記IAAプロトコルによって、世界の同意が得られるまでは、かってに返信することが禁じています(第8条)。


Q. もっと詳しく知りたいのですが・・

A. 手前味噌で恐縮ですが、以下の拙著に詳しいです。
『天文学者が、宇宙人を本気で探しています!』(洋泉社)
『宇宙人の探し方 地球外知的生命探査の科学とロマン』(幻冬舎新書)


鳴沢SETIテーマソング

『もしも、どこかの星に人がいて』(MP4) 作詞:鳴沢真也、作曲:飯塚 亮
歌詞と楽譜(pdf)

おまけ・・・(子供時代の)娘が描いた”SETI”。 左から地球外知的生命、電波、パラボラアンテナ、天文台、太陽
(当時の)娘は電波観測は昼間にもできることを理解しているようです。



e-mail: narusawa アトマーク nhao.jp