31 151 33 34 兵庫県立大学 西はりま天文台 : 研究者向け
2013年(紀要 第1号)

論文リスト:


宇宙赤外線背景放射検出を目的としたガリレオ衛星食観測のフォローアップ
 著者:津村 耕司1、新井 俊明2、有松 亘2、小谷 隆行3、白籏 麻衣1、松浦 周二1、和田 武彦1
 所属:1) 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所   2) 東京大学大学院   3) 国立天文台
 著者の電子メイルアドレス: tsumura@ir.isas.jaxa.jp
 Received: 2013 November 10

概要:我々はガリレオ衛星食掩蔽法による、黄道光のモデル不定性に依存しない宇宙赤外線背景放射(Cosmic Infrared Background, CIB)の観測を進めている。 その観測の過程の中で我々は、ガニメデ食の開始・終了時刻が、NASA/JPL HORIZONSによる予想時刻に対してそれぞれ約10分ずれている事に気づいた。 この現象の原因究明のため、JAXA宇宙科学研究所赤外線モニター観測装置、名古屋大学南アフリカ赤外線天体観測所IRSF、そして西はりま天文台なゆた望遠鏡を用いて、各ガリレオ衛星それぞれの食の開始・終了時刻を可視光から近赤外線の多波長で系統的な調査を実施したので、その結果を報告する。

 Key words:Cosmic Infrared Background, Galilean satellite eclipse
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2013年のなゆた望遠鏡の鏡面反射率
 著者:新井 彰、高木 悠平、高橋 隼、本田 敏志、森鼻 久美子、伊藤 洋一
 所属:兵庫県立大学 自然・環境科学研究所 天文科学センター
 著者の電子メイルアドレス: arai@nhao.jp
 Received: 2013 December 28

概要: 我々は西はりま天文台のなゆた望遠鏡の鏡面メンテンナンス頻度と2009年の再蒸着以降の経年劣化の状況を検討するため、2013年12月になゆた望遠鏡の鏡面反射率の測定を行った。 1度目は2013年5月の鏡面清掃作業から220日後にあたる2013年12月18日に行い、2度目は2013年12月19日の主鏡と第3鏡の清掃直後に行った。 主鏡の反射率は12月19日の清掃によって可視光域(670 nm)で清掃前に比べ8 %回復した。 この結果から、我々は望遠鏡全体の効率を50 %以上に保つためには3ヶ月ごとの定期的な鏡面清掃が必要であると結論した。 また、今回測定した反射率と2009年に主鏡の再蒸着直後に測定された反射率から、主鏡の最大反射率の変化率は波長670 nmにおいて、約 −2.5 % yr−1、波長1300 nmにおいて約 −1.3 % yr−1であることがわかった。

 Key words:Telescope -- Mirror -- Reflectivity
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西はりま天文台近赤外線カメラNIC限界等級の再測定
 著者:高橋 隼1、 禅野 孝広、石黒 正晃2
 所属:1) 兵庫県立大学 自然・環境科学研究所 天文科学センター   2) ソウル大学
 著者の電子メイルアドレス: takahashi@nhao.jp
 Received: 2013 December 30

概要: 我々は、西はりま天文台3波長同時観測近赤外線カメラ(NIC)に、多回数サンプリングモードを導入し、限界等級を再測定した。 1200秒積分、8回平均サンプリングモードでの限界等級 (S/N=10) は、J=18.9 [mag], H=19.0 [mag], Ks=18.0 [mag] であった。

 Key words:science instrument -- near-infrared -- performance -- photometry
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