●ニュース: 研究室学生の論文が学術誌に掲載されました(2020/10/13)

日本天文学会刊行の欧文研究報告誌(PASJ)の第72巻5号に、山下真依さん(修士課程2年)の論文が掲載されました。

概要と論文のタイトル、掲載紙へのリンクは以下の通りです。

100万-1000万歳の"若い"前主系列星には①周りに円盤を持つ、②太陽より数倍から数十倍速く自転する、③対流層が分厚い、という特徴があります。②③が原因で生成される強い磁場は、薄い大気の層・彩層を活発にさせ、明るいカルシウム輝線を発生させると考えられます。しかし円盤からの質量降着も彩層を光らせるため、磁場が原因の彩層活動のみを観測することが難しいという問題点があります。今回、西はりま天文台なゆた望遠鏡と可視光中低分散分光器(MALLS)を用いて前主系列星を観測しました。60天体中40天体以上の前主系列星は自転が速い主系列星と同程度に明るいカルシウム輝線を示し、磁場による彩層活動が優勢であることが分かりました。そして太陽の彩層では活動領域は全体の数%であることに対して、前主系列星では彩層全体が活動領域に覆われ、かなり活発であることが示唆されました。

タイトル:Measurements of the Ca II infrared triplet emission lines of pre-main-sequence stars
著者:Mai Yamashita, Yoichi Itoh, Yuhei Takagi
リンク:https://doi.org/10.1093/pasj/psaa073



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