●ニュース: 若い惑星環境を揺るがす巨大フレアの多温度噴出現象 -ハッブル宇宙望遠鏡と日韓地上望遠鏡で同時検出- (2025/10/27)

多温度の噴出現象の想像図(クレジット:国立天文台)


兵庫県立大学西はりま天文台のなゆた望遠鏡は、京都大学の行方宏介特定助教らが率いる国際研究チームの観測において、NASAのハッブル宇宙望遠鏡、京都大学せいめい望遠鏡、韓国BOAO望遠鏡とともに、若い太陽型星「りゅう座EK星」で発生した巨大爆発「恒星フレア」を紫外線と可視光の両方で同時にとらえることに成功しました。

観測の結果、まず約10万度に達する高温ガスが秒速 300~550 km という猛スピードで噴き出し、その約10分後に、より低温のガスが秒速70kmで吹き出す様子を、世界で初めて明らかにしました。今回の発見は、従来知られていた低温ガスに比べ、新たに見つかった高温ガスの方がはるかに大きなエネルギーを持ち、惑星環境により深刻な影響を与えうることを示しています。今回の成果により、高温・高速ガスの性質や、噴出の頻度が初めて明らかになり、(太古の太陽を含む)若い太陽型星が生命誕生期の惑星大気に及ぼした影響を理解するための具体的な手がかりが得られました。

本成果は2025年10月27日に、“Discovery of multi-temperature coronal mass ejection signatures from a young solar analogue”として、英国の国際学術誌「Nature Astronomy」と、“Do Young Suns Produce Frequent, Massive CMEs? Results from Five-Year Dedicated Optical Observations of EK Draconis and V889 Hercules”としてアメリカの国際学術誌「The Astrophysical Journal」にて、2編同時にオンライン掲載されました。


詳しくは
京都大学のウェブページ
または
国立天文台のウェブページ
をご覧ください。


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