●ニュース: 研究室学生の論文が学術誌に受理されました(2022/2/9)
日本天文学会刊行の欧文研究報告誌(PASJ)に、山下真依さん(博士課程1年)の論文が受理されました。
概要と論文のタイトル、論文へのリンクは以下の通りです。
活発な大気・彩層の活動は、恒星の自転と対流によって発生する磁場によって駆動されています。彩層活動を観測すると、直接観測できない対流や磁場の情報を得られるかもしれません。従来はCa II線、Mg II h・k線などの強い彩層輝線について、自転や対流との関係が多くの星で調べられてきました。そこで今回は弱い彩層輝線であるMg I 輝線(波長8807 Å)を対象としました。このMg I輝線はこれまで太陽と2天体の恒星でしか観測されていませんでした。3.9 m Anglo-Australian望遠鏡/高分散分光器(UCLES)のアーカイブデータを用いて、若い散開星団IC2391とIC2602(南のプレアデス星団)に属する、数千万歳の零歳主系列星45天体を解析しました。全天体からMg Iの吸収線が検出され、そのうち42天体からはMg Iの輝線成分も検出されました。そして速い自転(例. 秒速255 km)を持つ天体においても、Mg I輝線の強度は自転&対流に対してはっきりとした負の相関を示しました。このことからMg I輝線は彩層活動の良い指標になることが期待されます。このような彩層輝線の発見は世界初です。
タイトル:Measurements of Chromospheric Mg I Emission Lines of Zero-Age Main-Sequence Stars
著者:Mai Yamashita, Yoichi Itoh
リンク:https://arxiv.org/abs/2202.02065
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