●ニュース: 研究室学生の論文が学術誌に受理されました(2023/6/29)

兵庫県立大学理学部に在籍した佐藤進夢(すすむ)君と岩本悠里さんの卒業論文の内容が、学術論文として出版されました。

恒星は分子雲の中で誕生します。分子雲は必ず恒星を生むと仮定すれば、恒星を伴っている分子雲(星あり分子雲という)と恒星を伴っていない分子雲(星なし分子雲という)の数を比較することで、分子雲が形作られてから恒星を生むまでの時間を推定することができます。このような研究はオランダが打ち上げたIRAS(アイラス)衛星のデータを使って20年以上も前に行われました。しかしIRAS衛星の感度はそれほど高くはなかったため、軽くて暗い天体は検出できなかったと考えられます。そこで、アメリカが2000年に打ち上げたWISE(ワイズ)衛星のデータを使って、星なし分子雲と星あり分子雲の数を調べました。その結果、星なし分子雲として149個を、星あり分子雲として139個を同定しました。この数の比から、分子雲が形作られてから恒星を生むまでには約100万年かかることがわかりました。

この結果は以下の論文にまとめられました。
Susumu Sato, Yuri Iwamoto, Yoichi Itoh, 2023, "WISE Infrared Search for Young Stellar Objects Associated with Starless Cores", International Journal of Astronomy and Astrophysics, 13, 89
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