事業仕分け
民主党の政府に変わり、無駄を徹底的に洗い出すとの名目で、独立行政法人等の「事業仕分け」が行われました。そもそもこの事業仕分けというのは、7年くらい前から地方自治体で始まり、今や多くの自治体で取り入れられています。その内容というのは、
- 行政サービスとして必要か不要か
- 必要であれば、行政が実施すべきか民間が実施すべきなのか
- 行政が実施すべきであれば、改善は必要か現行どおりで実施か
指定管理者制度は、まさにこの事業仕分けの一端を担っているようなものですが、多くの批判を浴び続けています。指定管理者制度に移行した直後は、どの施設もかなりのエネルギーを注入して頑張りますが、そもそも無理を承知で引き受けたり、その反対に甘い夢を見て引き受けたところが多く、やがて綻びが見えてきます。効率的な運営というのは金のかからない運営と置き換えてもよく、科学館や博物館、公開天文台等ではその専門性より利用者増を意識せざるを得なくなり、負の回転が加速していきます。専門性を犠牲にした「専門施設」ほど無用のものはないと言えます。あとは利用者減が続き、用無しとなって閉鎖の憂き目を見るだけです。
こんなストーリーがきちんと出来上がっているのに、一般的にどの施設に働く者もあまり危機感がありません。実に不思議です。
最近私は、西はりま天文台公園に移し替えて考えることが増えました。考え続けていると顔に出るようです。最近の西はりまは活気がないですね。対外的な活動への参加がずいぶん減りましたね。日本一、世界一というレッテルだけ貼付けても、使わせてもらえないのならお題目だけですよ。こんなことを言われる機会が増えました。
そんな時、時期が時期だっただけに、事業仕分けに呼び出された夢を見ました。必死で天文台の必要性、天文学の大切さを訴えようとしているのですが、声がでないのです。こんな苦しい夢は久しぶりでした。夢であっても声が出ないというのは、自信が無くなっている証拠かもしれないと思いました。自分がお引き受けしている施設を何としても守りたい、という感情論ではもはや太刀打ちできません。本当の事業仕分けに呼び出されても、自信をもって説明したり反論したりできる状況をどう構築するか、私にいま突きつけられてる大きな大きな課題です。
利用者のみなさんに喜んでいただける施設……この感覚はもはや古いような気がしています。これからは利用者のみなさんと共に歩む施設を目指さねばならないでしょう。積極的なご提言やご意見をぜひお寄せください。
2009年 11月 15日
兵庫県立西はりま天文台公園
園長 黒 田 武 彦
<過去の園長あいさつ>

