2011年のスタートにあたって
新年、明けましておめでとうございます。
昨年は西はりま天文台公園20周年の年、新たな気持ちで記念式典を迎えましたが、お正月を迎え、さらに心を引き締め、未来に向かって歩みを続けたいと存じます。
さて、昨年の11月、私たちに思いがけない出来事が起こりました。森本名誉顧問の突然の死です。驚きましたし、信じたくない気持でしたが、厳然たる事実、認めざるを得ませんでした。私自身、33年もの長いお付き合いで、1993年には園長をお願いし、2002年までの約10年間、私が引き継がせていただくまで大活躍をしていただきました。
そんな森本さんの一番の願いは、「兵庫の子供たちに天文学を」でした。何と県立姫路工業大学と西はりま天文台がタイアップして、本物の天文学の楽しさを味わってもらおうと、歴代の3人もの学長と直談判をして、その必要性を訴えてきたのです。ほとんど私も同行させていただきましたが、何か新しいおもしろいことをやろうとするときの森本さんの身体にまとわりつくような熱弁は忘れられません。森本さんにとって、2004年の県立大学附置研の設置(宇宙天文系)は、恐らく20%程度の満足度だったのではないかと思います。それは学生や大学院生を持たない研究所という扱いだったからです。
本年は、そんな森本さんの願いを実現する道が少し開かれるのではないかと期待をしています。兵庫県の新行革プランに基づき、各施設の改革が進められようとしているからです。行革とはいえ、天文台公園の場合はある意味では内容の充実です。天文台公園のうち、天文台部分は県の直営とし、その機能が効果的に発揮できる体制作りを目指すことになったからです。森本さんが鹿児島大学に次いで夢を描いてきた、兵庫県立大学で天文学が学べる環境を作る、しかも日本一の望遠鏡なゆたを利用できるというメリットを最大限に生かす−−ユニークな研究、教育環境の大学作りに天文台が一緒に参画できるかもしれません。
博物館だって、科学館だってもう建物は要らないよ、バス1台あれば何だってできる、という新しい発想で始めた「モリモトおじさんのひょうごは大きな博物館」、普及・啓発に素晴らしい成果を残しました。兵庫をくまなく回りました。25回以上のサイエンスツアーを組みました。とにかく本物主義、本物の望遠鏡で本物の宇宙に立ち向かう−−同じ発想です。
森本さんのこういった発想、そして実現させるエネルギーを身近で見てきました。明日の天文台公園を考えるとき、森本さんがいなくなったことは大きな痛手ですが、森本イズムを諸活動に生かして、森本さんの思いにお応えしていきたいと思います。
本年もどうかよろしくお願い申し上げます。
2011年 1月 5日
兵庫県立西はりま天文台公園
園長 黒 田 武 彦
<過去の園長あいさつ>
- 2010年 4月19日のごあいさつ
- 2009年11月15日のごあいさつ
- 2009年 8月24日のごあいさつ
- 2009年 4月28日のごあいさつ
- 2009年 2月26日のごあいさつ
- 2008年12月13日のごあいさつ
- 2008年10月 9日のごあいさつ
- 最初のご挨拶

