!!!このキー何のキー? 私がまだコンピュータを触りはじめたころ、いくつか興味をひかれて試してみたいのに実際には無理、というものがいくつかあった。たとえば、いくつかのコンピュータの言語処理系は、実際に動かすことができるコンピュータが身近にないといった理由で試してみることができなかった。 そのようなものの一つに親指シフトキーボードというものがある。このキーボードには親指シフトキーというものがあり,富士通のパソコンやワープロの中にこれを使えるものがあった。キーをそのまま打ったときと、右親指シフトキーを押して打ったとき、そして左親指シフトキーを押して打ったときのそれぞれで、入力できる仮名が違うというもので、この3つの組合わせでほぼ英語のABCのキーの範囲で日本語の五〇音すべてを打つことができる。しかも実際に使用される頻度を考えて配置されており、仮名の入力を効率よく行うことができるというのだ。これを聞いて大いに興味をひかれた。しかし、実際に近くの電気店で売られているのは現在も最も普及しているJIS配列のキーボードのものばかりで、そもそも実物にはなかなかお目にかかれない。見ることができたとしても、店頭で十分に練習するわけにもいかず、実際のところはわからない。当時学生だった私にとってはパソコンもワープロも高価だし、いずれにせよまったく試すことができないままでは購入する気は起こらなかった。 やがて自分でパソコンを購入するようになってからもローマ字入力を使っていたが、そのうちにソフトウェアで親指シフトから発展したNICOLA配列になるようキーを入れ換えるものがあるという情報を手にいれた。しかも、中にはフリーのものもある。昔の興味がフツフツとよみがえってきて、さっそく自分のコンピュータに入れて試しはじめた。試すといっても天文台での仕事には当然文書を作るものが多くあるので、いきなり使うとかえって仕事の効率に支障を来たすことになる。そこで、連休の時期にまとめて練習して、再び天文台に勤務になったときには、少なくともそれまでよりも少し遅い程度で済むように配慮した。実際に使いはじめてみると、確かになかなか使いやすい。実はいまだにいくつかの仮名の位置はちゃんと覚えていないのだが、それはあまり使わない文字だからで、実際に使う分にはこれで十分だ。この文章自体もこのソフトを利用して書いて(打って)いる。かくして私のパソコンは、キーに書かれている文字と実際に出てくるかなにほぼまったく関係がないようになっていて、他の人から見るとどの仮名がどこにあるのかわからないかもしれない。でも自分には、もちろんどのキーを打てばどの仮名を打つことができるかわかっているのである。私の机の上も、他の人には何がどこにあるのかわからないかもしれない。しかし、自分では・・・わかっているかどうか、こちらの方はどうも心もとない。 ただ、仮名の入力のスピードが問題になる場面はそれほど長くなく、むしろ文章そのものを考えている時間の方が長いので、NICOLA配列のご利益がどれぐらいあるのか良くわからないところもある。また、実は英語のキーボードの配列にも効率を考えて設計されたDVORAK配列というものもある。こちらにももちろん興味があり,やはりフリーのソフトでこの配列に変えるものを見つけてあるのだが、英語のときにこのソフトを使った上で、日本語のときに利用するために今回話題にしたNICOLA配列にするソフトを使うと、二重にキーボードの入れ換えをやってしまうのだ。こうなってしまうと、私もまだどのキーを押せばどのようになるのかよくわからない。第一せっかくのNICOLA配列が、まったく違うものになってしまう。というわけで、こちらの方はまだ自分のコンピュータには入れていないのが、いつかは試してみたいものである。もちろん、これを入れておけばローマ字入力時にも、キーに書かれている文字と実際に出てくる文字が違うようにできるがために試してみたいというわけではない。念のため。 ---- [[石田俊人のトップページへ戻る|FrontPage]] [西はりまのトップページへ戻る |http://www.nhao.go.jp/]