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ニュース2000-12-22

2000年12月22日抄訳分

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 過去の宇宙背景放射の温度の測定

宇宙背景放射という名前をお聞きになったことのある方も多いかと思います。ビッグバンの名残りで宇宙のすべての方向で絶対温度2.7 度にあたる光がマイクロ波でやってきているというものです。

これは現在の背景放射の温度なのですが、過去の背景放射の温度を測る研究の結果が最近出ました。

初めて遠い距離で、つまり宇宙の初期での宇宙温度の測定に成功。ビッグバンから約25億年後のもの。理論どおり、当時は現在よりはっきり温度が高かったことがわかった。

観測者はインド・フランス・ESO のグループ。ESO VLTの一つKUEYENのUVES(UV-Visual Echelle Spectrograph:紫外可視エシェル分光器)で遠くのクェーサーからの光を分光して、この結果を得た。クェーサーからの光の通り道にあるガス雲の中の炭素原子の吸収線から、温度を測定した。このガス雲の距離から上記の約25億年後という数字が出てくる。方法は、宇宙背景放射によって原子の状態が変わって(励起して)、特定の吸収線を出す原子を増やすということに注目したもの。この方法に特に向いているのが、炭素原子によるある吸収線。

以前には、ハワイの10mのKech望遠鏡で過去の宇宙背景温度の上限は見積もられていた。宇宙背景放射以外の効果を除くことがむずかしい。取り除くためには非常に精度のよいスペクトルが必要。このため、8mクラスの大型望遠鏡が必要だった。

今回得られたスペクトルでは、原子同士の衝突といった宇宙背景放射以外の効果のみによっては、吸収線の形や強さといった詳細を説明できない。残る過程は宇宙背景放射のみとなるので、ここから宇宙の温度を出すことができる。最終的な結果としては、温度は絶対温度で6 度より熱く、9 度より冷たい。これはビッグバン理論の予測の9 度と合う。

元の情報源はESO のプレスリリース

ただし、天体画像は見当たりませんでした。たしか、分光結果のグラフと観測機器の写真ぐらい。

この話の元の論文は最新のNature誌(2000年12月21日号)に掲載されています。概要だけであれば、無料で登録してWWW 上で読むことができます。もっとも、ここに書いてある概要よりも、今回の抄訳の方が詳しいくらいですが・・・。

 木星近くの宇宙の『音』

NASAのカッシニ宇宙船は木星に近づきつつありますが、惑星の間を満たしている薄いガスの中の電気を帯びた粒子の波をとらえています。この波はラジオと同じ周波数を持っているので、音に変えることが可能です。というわけで、3音にしてみたというものが、NASAのJPLで公開されています。

実際に測定器にとらえたのは12月 8日で、木星から約2300万kmの距離の場所でした。木星の周囲の磁場と、太陽風の相互作用で、このような波が起るものと考えられるそうです。太陽風は超音速ですし、木星の周辺には衝撃波面が形作られています。そのような、ところが原因となって、磁場に変化が起るようです。

元々は30秒ほど続くものだったのですが、音声ファイルにするときに周波数を上げたとのことで、10秒の音声ファイルになっています。(追記:その後元のコンテンツはなくってしまったようです。)

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