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ASASSN-18aan(若松、小路口)./ASASSN-18aan の変更点


[[staff/観測リスト]]

* 趣旨 [#la44c514]
(プロポーザルより)~
矮新星は白色矮星の主星と後期主系列星の伴星からなる近接連星系で、伴星側から輸送された物質が主星の周 囲に降着円盤を形成している。この降着円盤内の物質が臨界量に達すると熱的不安定性によって円盤内の粘性が増加 し、主星への物質の降着量が激増してアウトバーストを起こす。この時、角運動量保存から物質の一部は降着物質から 角運動量を獲得するため、降着円盤は半径方向に広がる。この際、共鳴半径と呼ばれる半径まで円盤が広がった場合、 潮汐不安定性により物質の降着量が増加し、より大規模なスーパーアウトバーストが発生する。以上が矮新星における スーパーアウトバーストを説明する熱的潮汐不安定性モデルの概要であり、スーパーアウトバーストの発生モデルとし て広く認知されている。スーパーアウトバーストを起こすためには円盤が共鳴半径まで広がる必要があり、また、その ためには伴星の潮汐力が弱いことが必要であるため、質量比 (=伴星質量/主星質量) がある値よりも小さい必要がある と考えられている。潮汐不安定性モデルでは、スーパーアウトバーストを起こすためには質量比が約 0.25 未満である 必要があると考えられている (Osaki & Meyer 2002)。また、質量比と連星間距離の進化関係から、これは軌道周期が 約 2 時間未満の場合に相当する。~
しかし、今回スーパーアウトバーストを起こした矮新星 ASASSN-18ann は軌道周期が 3.6 時間程度の SU UMa 型矮新 星であり、前回プロポーザルを提出した矮新星 ASASSN-18yi と同じく、従来の熱的潮汐不安定性モデルではスーパー アウトバーストが起こりえないとされるほど軌道周期が長い天体である。また、スーパーアウトバースト中には微小な 光度振動 (スーパーハンプ) が存在することが知られているが、このスーパーハンプの周期と軌道周期の比は質量比と関 係していることが知られており、この比が大きいほど質量比も大きい。ASASSN-18ann においては、スーパーハンプ の周期が軌道周期よりも 10%程度長いと推定されており、これは質量比が極めて大きいことを示唆している。しかし、 本天体は従来のスーパーアウトバーストの発生モデルでは説明できない天体のため、スーパーハンプの周期から質量比 を推定する手法がそのまま適用できる保証がない。そこで、本観測では ASASSN-18aan の食を連続測光観測し、従来 の質量比推定手法である食を用いた質量比の推定を行う。この、より広く受け入れられている手法で求めた質量比もま た同様に大きい場合、この天体は従来のスーパーアウトバースト発生モデルとは全く相反する天体であり、矮新星の描 像を根底から覆しかねない極めて重要性の高い天体となる。また、矮新星 ASASSN-18yi の経験より増光中にはこれま で通常の矮新星で知られていたふるまいとは異なるふるまいが見られる可能性があるため、食だけでなくスーパーハン プも含めた赤外や分光による観測を行い、降着円盤の様相を明らかにする。

- PI: 若松恭行、小路口直冬
- [[プロポーザル>http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/~wakamatsu/a18aan_proposal.pdf]]
* 天体情報 [#p646c975]
- 天体名: ASASSN-18aan
- 座標: 00:46:07.99 62:10:4.9
- 等級: 15.4−17.5mag
- 軌道周期: 約 3.6 時間
- 星図: (図中のcompは測光の比較星と思われる。分光では関係ない)http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/~kojiguchi/CV/oister/ASASSN-18aan/ASASSN-18aan_chart.png
- スリットビューワー画像(2018.12.24.18:20頃)
#ref(./ASASSN-18aan.png,80%)

* 観測要請 [#ye4ad2f0]
~ ひとまずMALLSでの分光観測。その後、NICに切り替える予定
** MALLS [#g1860f25]
- 分光の目的は「矮新星か確かめること」(小路口)。おそらく、公転1周を時間分解する必要はない。ただし、暗いので長時間積分したほうがよいが、可能な範囲で構わない。

- (12/14)追記: 増光中にあと1回、減光中に1回、静穏期に1回の観測を希望。Hα6562, Hβ  4861, HeII 4687 を見たい。
- MALLS設定(12/17 update) 
-- グレーティング: 150本
-- 中心波長: 29.8deg
-- スリット幅: 1.2"
-- オーダーカットフィルター: WG320 (lambda>6400は2次光重複あるかも)
-- 1回の露出時間: 1200s

- (1/05追記) オフセットガイドで観測する手順
-- 最寄りの2つの星を使って、オフセットガイドができる。
-- 本体が少しでも見えるよう、スリットビューワーの積分は10秒、L.A.Cosmic を走らせた。下記は1月5日に用いたコマンド例。スリットのX座標 (-x オプションのあとの数字) は確認すること。
 agcc% cd ~/tsaito
 agcc% ./lockon.py -f coord/ASASSN18aan.pos -e 10 -c -x 356.0 -m
 (DS9画像上で 1st ref、2nd ref の順でクリック)
 (追尾が安定するまで2サイクル程度待つ -- 10秒積分でじれったいが我慢)
 (obs1 で mls コマンドを走らせ、積分)
-- これで問題なくトラッキングができた。下図はトラッキング中の画像 (2019.01.05 18:20頃)。
#ref(./ASASSN-18aan_tracking.jpeg,80%)

** NIC [#ob7348db]
未定

* 観測ログ [#ia1d413b]
| 日付 | 観測者 | 装置| 露出時間(s)x回数 | 画像処理 | データ提供 | 備考 |h
| 18.12.08 | 大島 | MALLS| 1200x5  | - | 済み |  輝線も吸収線も見えない|
| 18.12.10 | 戸塚 | MALLS | 1200x16 | - | 済み | 輝線も吸収線も見えない |
| 18.12.24 | 高山、大島 | MALLS | 1200x3 | - | | 輝線あり? |
| 19.01.05 | 斎藤 | MALLS | 1200x3 | - | | 2,3フレーム目はS/N低い(曇天の隙間) |
| 19.01.05 | 斎藤 | MALLS | 1200x3 | - | | 2,3枚目はS/N低(曇天の隙間) |