7月
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7月1日
お待たせしました。
2号機CCDカメラシステムの開発の続きを開始します。

まずデュワーを分解していたので、CCDをつける前にmicro-Dsubコネクター のところで電圧をチェック。正常だった。
しばらくぶりにシステムに電源を入れるときはいつも緊張する。
CCDを付ける。
室温でバイアスを撮ってみる。3月のときよりもダークが多いような気がする。 3月よりも室温が高いためだろう。まあ正常。
部分読み出しをしてみる。

これは2x2ビニングをしたイメージの全体図。

これは1x1ビニングをしたイメージの全体図。
2x2ビニングのイメージはこの右下の部分のような気がする。

この図は上の一部を拡大したもの。
1列おきのパターンが見られる。
クロックの与え方がおかしいのか?

7月5日
この前撮れたイメージは1列おきのパターンが見られたので 奇数列のイメージと偶数列のイメージを作ってみた。

左が奇数列のイメージ、右が偶数列のイメージ。
全体のイメージを見ると、奇数列は全体の左下1000x500、偶数列右下1000x500に相当するようだ。横のピクセル数は2000ピクセルなので(全体のイメージでは2048ピクセル)部分読み出しは成功しているが、ビニングに失敗しているようだ。

全体のイメージ。

7月6日
CCD素子をデュワーの中に組み込む。
私がCCD周りを触るときに気をつけていることをここにまとめておこう。
部分読み出しやビニングに関していろいろやる。報告はあすのページで。眠い。

7月12日

雑誌会の発表が終わったー。


7月13日
部分読み出しはできるようになった。
しかし前回失敗した原因ははっきりとは分からない。更なる調査が必要。

[1:1000,1:1000]の領域を部分と見出ししたフレーム。
cdsp_com.c でループを組んだプログラムを使用。
室温です。

これは全体を読み出したフレーム。
spv.ascii でループを組んだプログラムを使用。

画面では分かりにくいが部分読み出しのイメージは少しパターンが 見られる。

ビニングのイメージも撮ったが、うまく行っているのかどうか よく分からなかった。

上はパラレル方向に2000ピクセルを2ピクセルビニングで、シリアル方向には1000ピクセルをビニングしないで読み出したフレーム。
なんか、うまく行ってそうな予感。

上はパラレル方向には1000ピクセルをビニングしないで、シリアル方向には2000ピクセルを2ピクセルビニングで読み出したフレーム。
うまく行ってない予感。

冷やして撮ってみないと、よくわからない。

7月15日
デュワーの真空を引いた。3*10^-6程度になったところでヘアドライヤーで暖めてやり、ちょっとしたべーキングをしてやった。
5分程度で少しではあるが4*10^-6程度まで上昇した。

7月16日
以前撮ったバイアスを minmax アルゴリズムでコスミックレイを除去して足し合わせた。それを用いてデフェクトを「とりあえず」数え上げてみた。(基準はヒストグラムに表したとき分布からハズレているもの;white pixelとblack pixelは区別してません)

エンジニアリンググレードのデフェクト

320から323コラムまで
1080コラム
1483コラム

673コラムの 1945から2052ラインまで
1081コラムの1622から1631ラインまで
シングルピクセルのものが4ピクセル(さらに3ピクセルがあやしい)

EEVのデータシートではWhite pixel はダークの量で定義してあるので、本当は 冷やしてダークを撮らなければいけない。
Black pixel は一様光をあてて平均の80%以下という定義

ADC前段の積分器の積分時間を変えることによってシステムゲインを 変えられることを確認した。
計算値ともだいたい一致している。

7月19日
冷却して部分読み出しとビニングのテスト。
-66度にまでしか冷えなかった。ん〜
全体のイメージ 2048x2052
真ん中の丸いパターンは結露
オシロスコープが見えます。
[1:1000,1:1000]の領域を部分読み出ししたイメージ。
[1:2000,1:1000]領域を2x1ビニングで読み出したイメージ
[1:1000,1:2000]の領域を1x2ビニングで読み出したイメージ
以前失敗した原因は聞かないでください。プログラムのコメントアウトを はずし忘れていたなんて恥ずかしくて言えません。



これは冷凍機電源のDC24VをOFFにした状態で撮ったバイアスの一部分。
縦じまが見えます。(一番明るい一本の縦じまはホットコラム)
STDDEV 1.948 カウント
やはり冷凍機がノイズ源だった。

7月21日
ラディエーションシールドの入れ方を変えて、冷却テスト。
-77度にまで冷えた。ディエーションシールドの影響が-10度もあった。
この温度でのダークは1800秒で約8エレクトロン。
オフセットをかけての部分読み出しができるようにしておいた。

7月23日
リモートプロシージャーコール(RPC)を使ったプログラムを組む練習をしている。
2号機のためもあるが、岡山のシステム改修にあわせて1号機のシステムも 望遠鏡と通信できるようにしたい。(RPCが使われるかどうかは知らない)
次回の観測のときには我々のWSからすべて制御できるようにしたいなー。

7月26日
冷凍機とCCD素子を熱的につないでいる銅線のネジ止をしっかりして、冷却した。
-80度にまで冷えた。

冷凍機を止めてリードアウトノイズの低い状態で、spv.asciiでのループを使った読み出しとCDSPでのループを用いた読み出しの比較をした。
やはりほんの少しCDSPのの方のフレームにノイズが見られる。
表示のせいかも知れない。とりあえずの方針は部分読み出しとビニングはspv.asciiを用いることにする。

CCDが冷えているついでに「とりあえず」のリニアリティーを調べた。
なにがとりあえずかというと。 積分器の積分時間は800nsec。光源は白熱電球。電球の前とCCDカメラのウインドウの前にコピー用紙を何枚か重ねたデフューザーを張り付けた。

露出時間 対 カウント
34秒ぐらいからへたってきている。

露出時間 対 標準偏差
リードアウトノイズが7.4カウントとしてフォトンノイズを見積もってます。
22秒以後のデータ点が暴れているのは変なパターンが現れてきたから。
大きな謎は、なぜ22秒以前で直線的なのか?
露出時間は標準偏差の2乗(分散)に比例するはず。
これに関してはゲインを調整してから、「しっかりした」リニアリティーの実験をやるつもり。
(なぜ露出時間 対 分散 の図にしなっかったか。それは私の頭はもう一杯飲んで寝るモードだからです。すみません。)

左は22秒積分(サチル前)、右は26秒積分(サチッている)
15000カウント程度でサチッているようである。


サチッているイメージ。

15000カウントでサチッているとすると、EEVのデータシートではフルウェルは150000エレクトロンだから、ゲインは10エレクトロン/ADU ということになる。
7月19日の日記に、冷凍機を止めたらリードアウトノイズ 1.948 カウントになったと報告したが、これは20エレクトロンということになる。

なにはともあれ、ゲインの調整をしてしっかりとしたリニアリティーのテストをしなければはっきりしたことが言えない。

ちなみに冷房の設定温度を22度にすると、結露しなくなった。

7月29日

この前、見せた図。

上と同じイメージをフラットフィールドしたもののカウントと分散。

つまりピクセル間の感度むらが見えていた。
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