報告詳細
たくさんの方が観測されたのではないかと思いますが、いよいよ南極冠が姿を現しました。 26日(UT)に南極冠がほぼ完全にとらえられました。まだ、淡くフードがかかっているようですが、多分、ここ一両日中に気になら無くなると思われます。一旦出現したからといってこれからはいつも快晴であるわけではなく、ときには淡いフードをかぶることが起こります。常に気をつけて観測して下さい。フードがかかっているときは極冠の周りが淡くなったり、ぼんやりしたりして、いつもと違った様子になります。もちろんいつもと違うかどうかは、日ごろ見ていないとわかりませんから、常に観測を怠らないようにお願いします。
 安達が南極冠を見たところによれば、池村さんのシミュレーションと非常によく一致しており、シレーンの西の端はややくびれた形になっていました。これから火星を1周見ていきながら、どこがどのような形になっているかを記録していきたいと思います。  出現までいつも明るく見えていた、アルギレの南方や、ヘラスの南方など、張り出した状態に南極冠ができているか確認してください。この2ヶ所は、フードがいつも明るくなっていたところで、もしも南極冠の形成が、水による雪や、ドライアイスの固体が降って積もったものであれば、この部分が北方に張り出している可能性があります。これを観測できたら、南極冠の生成過程に一つの仮定が引きだせると思います。
近赤CO2観測
 次に、フードから開放された極冠はこれから太陽からの輻射熱にさらされることになりますから、溶解を始めます。温度の低いところに位置する、ドライアイスはこれから水に先立ち、昇華を始めることになります。どのような変化が起こるか、注目されます。画像をとられる方は、ブルーの波長で撮影して欲しいのですが、近赤外でも撮影をしていただけるとありがたいと思います。
 CO2が大気に昇華されて出てきたら、大気中にCO2の分子が増えることになります。大気中のC02の様子はこのCO2の様子を撮影することによってつかみます。どのような波長で撮影すれば、CO2が写るのか安達はよく知りませんが、わかる方がおられたら、お教えいただきたいと思います。極冠が出現したところです。早急に知りたい情報です。ご存知の方があれば、ぜひ教えて下さい。
 また、これから、いつダークフリンジが出てくるかも注目されます。これは、水と関係があると考えていますが、正確なところはまだ、さっぱりわかりません。

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