火星の子午線湾付近で光斑が発生
 天文回報(IAUC.7642)等は R.Tresch Fienberg(Sky and Telescope(S&T))と月・惑星研究所のメンバー等の観測によると、2m反射と30cmシュミット・カセグレンによる6月7日と8日のモノクロCCD観測で、Edom Promontorium(エドム岬)付近に明るく輝く現象を検出したことを報じています。この輝く現象(brightenings)は6月5日と6日に最良の観察条件の観測では検出されませんでした。最初は火星中央子午線が通過する約85分前の6月7.274日(UT)頃に、Edomに明るい輝点が検出され、6月7.278日(UT)まで数回キラキラ輝くのが観測されているようです。この瞬き現象はシーイングの影響ではないようで、輝度最大の約3〜5秒の間隔で1分程度のものであって、また、6月7.312日(UT)には、Sinus Sabaeus(サバ人湾)の北側に沿って出現した輝度変化は多くの観測者がビデオモニタをによって同時に観測されています。Edom付近での現象は6月8日にも観測されていて、6月8.292〜8.306日(UT)の間に観察された一連の短命(5秒〜3秒以下)の輝き現象と、6月8.328〜8.350日(UT)の間に見られた別の一連の頻繁な変化は、6月7日の明るい輝点が検出されたような強度を持っていたとしています。この付近の光斑現象は1937,1951,1958(10月に田阪さん),1960年等にも日本の観測者等によって観測されています。
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