質問コーナー
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その5(第6回)
Q:恒星がまたたくのに比べて惑星は大きさがあるのでまたたかないと言われたが、遠く離れた(視直径の小さい)惑星と恒星では区別をどうつけるのか?
A:あなたが想像するように、視直径の小さい惑星になると、またたきのような見た目では見分けがつきません。またたき方で判別がつく惑星は、古くから知られている明るい惑星(水星、金星、火星、木星、土星)です。天王星は6等級で目で見えるギリギリですから、またたきのあるなしからして判別できないでしょう。海王星はさらに暗く目では見えません。一般に、惑星(太陽系天体)か恒星かは時間を置いて位置が変化しているかどうかで判断します。
Q:焦点距離が長くなると色収差が目立たなくなるのはなぜですか? 赤と青の波長による焦点距離の食い違いは焦点距離が長くなると酷くなるような気がします。
A:正確にはレンズの口径に対して焦点距離が長くなると(F比が大きくなると)色収差が目立たなくなります。レンズはガラスの曲面に対して光線が斜めに入射することによって屈折して集光します。ここでF比の大きいレンズになると、レンズの場所によらず光線は垂直入射に近くなり、大きく屈折することなく集光します。屈折角が小さければ色毎の屈折角の違いも小さくなって色収差が目立たなくなるというわけです。ちなみに球面収差もF比の大きいレンズになれば集光する角度が小さくなるため目立たなくなります。写真撮影では、被写体とその背景や手前にある物にも同時にピントを合わせたい時など、レンズを絞ってF比を大きくします。被写界深度を深くすると言いますが、レンズを絞ることでピントが合う条件を緩くすることができるわけです。逆に背景をぼかして被写体を強調したい場合などはレンズの絞りを開けて被写界深度を浅くします。
Q:アルミニウムの反射率が91%ということですが、もっと反射率の高い鏡を作れる物質はありますか?
A:金属としては銀が最も反射率が高く95%以上、最大98%が期待できます。ただし銀はすぐに錆びてしまいます。近年、銀メッキの上に酸化を防止する保護コートをして反射鏡として使えるようになっています。なゆた望遠鏡でも候補として考えましたが、日本は夏場の湿気が多く、大気汚染も気がかりなので安全策をとって従来のアルミメッキにしました。ただしアルミメッキの上にさらに保護コーティングを施してあり反射率はちょっと落ちて90%になります。
2009年6月9日火曜日