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staff/200308冷却トラブル
をテンプレートにして作成
開始行:
[[staff]]
* 概要 [#a0029e40]
- 2020-03-05 住重メンテ作業後、冷却を再開したが通常運用時...
-- 4月末ころにはぎりぎり 100K を切る温度まで悪化
-- 測光値のばらつきも許容レベル以上に悪化
- 2020-05-09 昇温
-- 丸3日後に 280K 付近まで上がったのを確認し、再冷却
-- 更に約30時間後にコールドヘッドが 56K まで到達
-- 更に約24時間後には検出器温度が約 90K で収束・これ以上...
- 2020-05-15 再度昇温
-- 丸4日程度経過後に290Kまで昇温、真空計を Canon Anelva ...
-- 19日18時頃冷却を開始、21日朝には検出器温度が75Kを切る
-- その後安定し、ひとまず解決
- 今回は昇温時にもなるべく真空引きを続けた。特に高温の状...
- (&color(red){''2020-07-16 追記''};) 2020-07-13の停電復...
* 2020-03-05 住重メンテ前後の振る舞い [#u46f4aec]
- メンテ前
-- 温度・真空度ともに異常なし。検出器温度 75K前後、真空度...
- メンテ後
-- 真空度は冷却開始前の1時間程度であっけなく 10^-5 Torr ...
-- 冷却開始 (5日18時頃) から50-53時間後 (6日夜) にはコー...
-- 7日20:50頃にヒーターをOFF。8日昼 (約70時間後) には検出...
- 温度・圧力 (真空度) の変化
-- 温度
#ref(./maintenance_200305_mark.png,70%)
--- 温度が昇温前に比べて下がっていないのがわかる。
-- 圧力
#ref(./vacuum_2003.png,65%)
--- 圧力は有意な変化なし。
--- 大きく上がっている(真空度が悪くなっている)ところが、...
* 2020-05-09 昇温・再冷却 (1回目) [#u32b8044]
** 考えられる原因と今回の対処 [#a7b00807]
- 「コールドヘッドが冷えており、真空度も問題ないが検出器...
-- コールドヘッド-検出器間で熱伝導が悪くなっている (揮発...
-- 真空計の数値が間違っていて、実は低温を保持できる状態で...
- まずは前者を疑い、昇温・冷却のサイクルをやり直してみる...
** 今回の作業と経過 [#ob62221c]
- 昇温
-- 9日 16:50 頃 昇温開始
-- 12日18:00頃に検出器温度が 280K に到達 (約73時間)
-- この間、なるべく真空は引いたまま (9日夜は悪天候で観測...
- 冷却
-- 12日18:00前に冷却を再開 (真空引きと並行)
-- 1時間程度で 10^-5 Torr に達したため、真空引きを停止
-- 14日朝 (5:00 前後、約35時間) にはコールドヘッドが 55K ...
-- 14日夕刻 (17:00 前後、約47時間) に検出器温度が 90K 付...
** 結果概要 [#y31d1d0b]
- 温度
#ref(./heating_200509.png,70%);
-- 念のためヒーターはつけていないが、下がりきっていないの...
-- 観測時間との兼ね合いで早めに冷却を再開したのは良くなか...
- 圧力
#ref(./vacuum_2005_mark.png,65%);
-- 1回目の昇温の後、特に悪くなっていない。むしろ数値上は...
-- 真空計に問題があるのか?
* 2020-05-15 昇温・再冷却 (2回目) [#wb98a8b9]
** 問題点・考えられる原因と今回の対処 [#n6533730]
- 昇温前と同様、検出器温度が 90K 程度までしか下がっていない
- 考えられる原因:
-- 前回昇温時に 280K までしか昇温しなかったために、真空容...
-- そもそも真空計の数値が信用できないため、低温保持 and/o...
- 原因の切り分けはできないが念のため、上記2点を疑い、以下...
-- 昇温時にドーム内室温程度まで十分に上げる
-- 温度の上がった状態でなるべく長時間真空引きを行う (ベー...
-- 真空計を取り替える (MALLS 新CCDカメラについていた Cano...
** 今回の作業と経過 [#a512c15a]
- 昇温
-- 15日 15:30 頃、冷却を停止
-- 観測時間帯以外はなるべく真空引きを続ける
-- 18日 21:00 頃 (約77.5時間)、検出器温度が 280K に到達
-- 時間がかかるのでヒーターをONにする (200 から徐々に上げ...
-- 19日 01:30 頃 (約82時間) に 290Kまで昇温、真空計を Can...
--- 真空を破る前にヒーターをOFF
--- 圧力調整器を取り付けて真空バルブを開き、調整器のバル...
--- 十分大気圧に近くなったところで Pfeiffer 製真空計を取...
--- フランジ径が違うので変換アダプターを介して Canon Anel...
--- この際、真空計が長すぎるため、L字型のパイプを使って配...
--- 圧力調整器を外して真空ポンプをつなぎ、真空引きを開始...
-- 19日18時頃 (約100時間) 冷却を開始
-- 20日17時頃 (冷却開始後約23時間) ソレノイドバルブ close...
-- 21日未明にはコールドヘッドが55K付近に到達
-- 21日 04:00頃 (冷却開始後約10時間)、検出器温度が 75K に...
-- その後は安定、ひとまず解決
** 結果概要 [#t9605668]
- 温度
#ref(./heating_200515.png,70%);
-- 昇温前より下がっているのがわかる。
-- 結局原因はコンタミ成分の固化による熱伝導の低下だったの...
- 圧力 (同じ図を再掲)
#ref(./vacuum_2005_mark.png,70%);
-- Pfeiffer の値は1回目の前後で真空度が改善している。真空...
-- Anelva にしたあとは、数値上は悪くなっている。こちらが...
-- いずれにせよ温度は十分冷えて安定している。現状では問題...
** メモ [#u255a020]
- 真空計を取り替えた関係上、同じインターフェイスで読み出...
- logvacuum.sh, logvacuum_local.sh に相当するものも、log...
- 下記は 2020-05-27 現在の crontab
[nicop@localhost tsaito]$ crontab -l
15 09 * * * /home/nicop/bin/mklog.sh yesterday 1> /dev/n...
30 09 * * * /usr/local/nic/bin/datacopy_all.sh exe 1> /d...
0 09 * * * /home/nicop/bin/logvacuum_an.sh 1> /dev/null
0 17 * * * /home/nicop/bin/logvacuum_an.sh 1> /dev/null
*/10 * * * * /home/nicop/bin/logtemper.sh 1> /dev/null
真空計 ON から測定までの待機時間は15秒程度でいいらしい (...
- &color(red){''2019-08-04 に真空計を再度 Pfeiffer (PKR35...
* 2020-07-15 再発時のメモ [#kf06d636]
- 2020-07-13 の停電時に、冷却を停止した。停止したのは午前...
- 2020-07-14 18:00 頃に、検出器 266K / コールドヘッド 271...
- 以下の表に、温度の推移を示す。5月19日が正常、7月14日が...
| 冷却開始後 0h | 6h | 12h | 18h | 24h | 30h |h
| ~290K (5/19 17:50) | ~201-204K | ~145-150K | ~113-114K ...
| ~266K (7/14 19:00) | ~191-193K | ~150-152K | ~126-127K ...
-- 初めの12時間程度は、スタート時の温度が低いため、7/14 ...
-- 18時間程度見ると、少し差が出てくる。
-- 5月12日の温度変化も、概ね同様だった。
終了行:
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* 概要 [#a0029e40]
- 2020-03-05 住重メンテ作業後、冷却を再開したが通常運用時...
-- 4月末ころにはぎりぎり 100K を切る温度まで悪化
-- 測光値のばらつきも許容レベル以上に悪化
- 2020-05-09 昇温
-- 丸3日後に 280K 付近まで上がったのを確認し、再冷却
-- 更に約30時間後にコールドヘッドが 56K まで到達
-- 更に約24時間後には検出器温度が約 90K で収束・これ以上...
- 2020-05-15 再度昇温
-- 丸4日程度経過後に290Kまで昇温、真空計を Canon Anelva ...
-- 19日18時頃冷却を開始、21日朝には検出器温度が75Kを切る
-- その後安定し、ひとまず解決
- 今回は昇温時にもなるべく真空引きを続けた。特に高温の状...
- (&color(red){''2020-07-16 追記''};) 2020-07-13の停電復...
* 2020-03-05 住重メンテ前後の振る舞い [#u46f4aec]
- メンテ前
-- 温度・真空度ともに異常なし。検出器温度 75K前後、真空度...
- メンテ後
-- 真空度は冷却開始前の1時間程度であっけなく 10^-5 Torr ...
-- 冷却開始 (5日18時頃) から50-53時間後 (6日夜) にはコー...
-- 7日20:50頃にヒーターをOFF。8日昼 (約70時間後) には検出...
- 温度・圧力 (真空度) の変化
-- 温度
#ref(./maintenance_200305_mark.png,70%)
--- 温度が昇温前に比べて下がっていないのがわかる。
-- 圧力
#ref(./vacuum_2003.png,65%)
--- 圧力は有意な変化なし。
--- 大きく上がっている(真空度が悪くなっている)ところが、...
* 2020-05-09 昇温・再冷却 (1回目) [#u32b8044]
** 考えられる原因と今回の対処 [#a7b00807]
- 「コールドヘッドが冷えており、真空度も問題ないが検出器...
-- コールドヘッド-検出器間で熱伝導が悪くなっている (揮発...
-- 真空計の数値が間違っていて、実は低温を保持できる状態で...
- まずは前者を疑い、昇温・冷却のサイクルをやり直してみる...
** 今回の作業と経過 [#ob62221c]
- 昇温
-- 9日 16:50 頃 昇温開始
-- 12日18:00頃に検出器温度が 280K に到達 (約73時間)
-- この間、なるべく真空は引いたまま (9日夜は悪天候で観測...
- 冷却
-- 12日18:00前に冷却を再開 (真空引きと並行)
-- 1時間程度で 10^-5 Torr に達したため、真空引きを停止
-- 14日朝 (5:00 前後、約35時間) にはコールドヘッドが 55K ...
-- 14日夕刻 (17:00 前後、約47時間) に検出器温度が 90K 付...
** 結果概要 [#y31d1d0b]
- 温度
#ref(./heating_200509.png,70%);
-- 念のためヒーターはつけていないが、下がりきっていないの...
-- 観測時間との兼ね合いで早めに冷却を再開したのは良くなか...
- 圧力
#ref(./vacuum_2005_mark.png,65%);
-- 1回目の昇温の後、特に悪くなっていない。むしろ数値上は...
-- 真空計に問題があるのか?
* 2020-05-15 昇温・再冷却 (2回目) [#wb98a8b9]
** 問題点・考えられる原因と今回の対処 [#n6533730]
- 昇温前と同様、検出器温度が 90K 程度までしか下がっていない
- 考えられる原因:
-- 前回昇温時に 280K までしか昇温しなかったために、真空容...
-- そもそも真空計の数値が信用できないため、低温保持 and/o...
- 原因の切り分けはできないが念のため、上記2点を疑い、以下...
-- 昇温時にドーム内室温程度まで十分に上げる
-- 温度の上がった状態でなるべく長時間真空引きを行う (ベー...
-- 真空計を取り替える (MALLS 新CCDカメラについていた Cano...
** 今回の作業と経過 [#a512c15a]
- 昇温
-- 15日 15:30 頃、冷却を停止
-- 観測時間帯以外はなるべく真空引きを続ける
-- 18日 21:00 頃 (約77.5時間)、検出器温度が 280K に到達
-- 時間がかかるのでヒーターをONにする (200 から徐々に上げ...
-- 19日 01:30 頃 (約82時間) に 290Kまで昇温、真空計を Can...
--- 真空を破る前にヒーターをOFF
--- 圧力調整器を取り付けて真空バルブを開き、調整器のバル...
--- 十分大気圧に近くなったところで Pfeiffer 製真空計を取...
--- フランジ径が違うので変換アダプターを介して Canon Anel...
--- この際、真空計が長すぎるため、L字型のパイプを使って配...
--- 圧力調整器を外して真空ポンプをつなぎ、真空引きを開始...
-- 19日18時頃 (約100時間) 冷却を開始
-- 20日17時頃 (冷却開始後約23時間) ソレノイドバルブ close...
-- 21日未明にはコールドヘッドが55K付近に到達
-- 21日 04:00頃 (冷却開始後約10時間)、検出器温度が 75K に...
-- その後は安定、ひとまず解決
** 結果概要 [#t9605668]
- 温度
#ref(./heating_200515.png,70%);
-- 昇温前より下がっているのがわかる。
-- 結局原因はコンタミ成分の固化による熱伝導の低下だったの...
- 圧力 (同じ図を再掲)
#ref(./vacuum_2005_mark.png,70%);
-- Pfeiffer の値は1回目の前後で真空度が改善している。真空...
-- Anelva にしたあとは、数値上は悪くなっている。こちらが...
-- いずれにせよ温度は十分冷えて安定している。現状では問題...
** メモ [#u255a020]
- 真空計を取り替えた関係上、同じインターフェイスで読み出...
- logvacuum.sh, logvacuum_local.sh に相当するものも、log...
- 下記は 2020-05-27 現在の crontab
[nicop@localhost tsaito]$ crontab -l
15 09 * * * /home/nicop/bin/mklog.sh yesterday 1> /dev/n...
30 09 * * * /usr/local/nic/bin/datacopy_all.sh exe 1> /d...
0 09 * * * /home/nicop/bin/logvacuum_an.sh 1> /dev/null
0 17 * * * /home/nicop/bin/logvacuum_an.sh 1> /dev/null
*/10 * * * * /home/nicop/bin/logtemper.sh 1> /dev/null
真空計 ON から測定までの待機時間は15秒程度でいいらしい (...
- &color(red){''2019-08-04 に真空計を再度 Pfeiffer (PKR35...
* 2020-07-15 再発時のメモ [#kf06d636]
- 2020-07-13 の停電時に、冷却を停止した。停止したのは午前...
- 2020-07-14 18:00 頃に、検出器 266K / コールドヘッド 271...
- 以下の表に、温度の推移を示す。5月19日が正常、7月14日が...
| 冷却開始後 0h | 6h | 12h | 18h | 24h | 30h |h
| ~290K (5/19 17:50) | ~201-204K | ~145-150K | ~113-114K ...
| ~266K (7/14 19:00) | ~191-193K | ~150-152K | ~126-127K ...
-- 初めの12時間程度は、スタート時の温度が低いため、7/14 ...
-- 18時間程度見ると、少し差が出てくる。
-- 5月12日の温度変化も、概ね同様だった。
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