31 125 33 34 兵庫県立大学 西はりま天文台 : 研究者向け
平成16年度(第15号)

論文リスト:


Spectroscopic Observations of Algol-type Binaries RZ Cas and AS Eri、 pp1-2
 著者:Shin-ya Narusawa1、Mitsugu Fujii2、Kayo Ioroi3、Masami Honkawa4
 所属:1) Nishi-Harima Astronomical Observatory、2) Fujii-Bisei Observatory、3) Minami-Aso Luna Observatory、4) Ishikiri Junior High School
 著者の電子メイルアドレス: narusawa@nhao.jp
 Received: 2005, April 15

概要: We performed spectroscopic observations of RZ Cas and AS Eri to see if there is any sign of chemical anomaly in these stars. We conclude that the pulsating components in systems RZ Cas and AS Eri are not typical Ap stars but similar to normal A stars.

 キーワード:Spectroscopy -- Algol type binary -- δ Sct stars -- roAp
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The early spectrum of V2361 Cygni、 pp3-5
 著者:Hiroyuki Naito1、Noritaka Tokimasa1、Hitoshi Yamaoka2
 所属:1) Nishi-Harima Astronomical Observatory、2) Faculty of Science, Kyushu University
 著者の電子メイルアドレス: naito@nhao.jp
 Received: 2006, January 18

概要: We observed the possible nova spectrum to confirm if it is indeed a nova. What we find out from our early spectrum of V2361 Cyg is it is indeed a classical nova and has "Fe II type" features. However it is normal for the typical classical novae to decline the magnitude slowly, V2361 Cyg is going through the unexpected light curve. Our spectrum reveals it has normal features in the early phase.

 キーワード:Spectroscopy -- Novae: Individual (V2361 Cyg) -- Fe II type
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なゆた望遠鏡用可視光撮像装置 I. 設計、 pp6-14
 著者:尾崎忍夫1
 所属:1) 兵庫県立西はりま天文台公園
 著者の電子メイルアドレス: ozaki@nhao.jp
 Received: 2006, January 7

概要: 可視光のイメージは一般市民にとって理解しやすく、アピーリングなものであるので、公開天文台である西はりま天文台にとって可視光撮像装置の重要性は非常に高いものとなる。また西はりま天文台は研究と教育普及を融合させた活動を目指しているので、本格的な研究観測にも堪えうる性能を有する必要がある。
 この撮像装置では広い視野で迫力の有る画像を得るために、縮小光学系で望遠鏡のF/12をF/4.8に縮小し、2k x 2k の大フォーマットCCDを用いた。これにより約10分角平方の視野を得ることができる。また西はりま天文台の優れたシーイングを損なうことの無いように、光学系の収差を抑えている。

 キーワード:Imaging amera -- CCD
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なゆた望遠鏡用可視光分光器 I. 設計、 pp15-29
 著者:尾崎忍夫1、時政典孝1
 所属:1) 兵庫県立西はりま天文台公園
 著者の電子メイルアドレス: ozaki@nhao.jp
 Received: 2006, January 7

概要: なゆた望遠鏡(口径2m)のナスミス焦点に取り付けられる分光器の高分散モードでは、エシェル分光器と一般的なロングスリット分光器の狭間の分解能(R〜7500)を有している。速度分解能は40km/sに相当し系外銀河のダイナミクスの詳細研究に適したものとなっている。低分散モードはR〜1000程度であり、可視域の主立った輝線を一度の露出でカバーできるので、輝線比を用いた輝線放射領域の物理状態の解明に適している。
 この分光器は高分散目指したために、シーイングマッチングを考えると、どうしても光路長が長くなり、光路を折り曲げる必要があった。そこで、反射型グレーティングと鏡面コリメーターを用いることで、折り曲げ鏡の数を最小限に抑えている。またコリメーターの方式として軸は図示放物面鏡を用いると、視野の端で収差が急激に大きくなる。また、逆ニュートン方式を用いると、折り曲げ鏡によるケラレが発生してしまう。そこで、折り曲げ鏡を用いて軸外し角を小さくし、なおかつ折り曲げ鏡がコリメーターからの射出光をケルことのないように配置することにより、収差を抑えつつ効率の高いシステムとすることに成功した。

 キーワード:Spectrograph
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西はりま天文台2m望遠鏡時刻サーバ装置の開発、 pp30-39
 著者:下代博之1、坂元誠2、圓谷文明2
 所属:1) 下代組機工、2) 兵庫県立西はりま天文台公園
 著者の電子メイルアドレス:
 Received: 2005, May 5

概要: 西はりま天文台2m望遠鏡は経緯台式架台のため、高精度の位置制御が要求される。そのため、望遠鏡制御計算機は極めて高精度の時刻信号を必要とし、その時刻信号の発生には、長期の安定性と信頼性を確保しなければならない。今回開発した時刻サーバ装置は、2組のGPSと高精度水晶発振器を使用し、独自技術の集積によって高精度と高信頼性を実現したものである。

 キーワード:time server
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C/2002 T7 (LINEAR) の撮像・分光観測、 pp40-45
 著者:井垣潤也1、森淳2、坂元誠2、時政典孝2
 所属:1) 兵庫県立大学、2) 兵庫県立西はりま天文台公園
 著者の電子メイルアドレス: junya@lasti.u-hyogo.ac.jp
 Received: 2005, July 1

概要: 我々は彗星C/2002 T7 (LINEAR) のカラー変化を捉えるため、西はりま天文台の口径60cm反射望遠鏡を用いて、観測が可能であった2003年9月から2004年2月の期間にB、V、Rの3色撮像観測と、可視低分散分光観測を行った。コマ部に注目して解析した結果、太陽に接近するにつれて彗星が増光していく様子が確認された。解析したところ、位相角(地球-彗星-太陽)と光度に相関があることを見出した。また、太陽に接近するにつれてRからV、VからBバンドへと相対的に明るくなっていくことが示された。

 キーワード:C/2002 T7 (LINEAR) -- comet --color -- phase angle
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