基本マニュアル のバックアップ(No.1)
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NIC?
nic_observe.txt
NIC観測者向け情報
20110730 禅野 20120502 高橋: なゆた立ち上げ(詳細)を追加
※現時点で観測方法がまだ確立していないので想像で書いている
超簡易マニュアル: †
1. 望遠鏡を目標へ向ける 2. 10.0.1.51 にユーザ名 nicop でログインする 3. ds9 & 4. Lo 3 5 とすると画像が表示される (5秒露出) 画像は /data/110730/ などその日の日付のディレクトリに 保存されている ひとまずこれだけ。
NIC観測装置の状態。 †
普段は NIC制御PC, VMEラック(BIT3 + COGITO3)、アナログ回路箱の 電源が入った状態になっているはず。入っていなければ電源を入れる。 モータードライバ回路箱の電源コンセントは抜いてあると思われる。 真空計と温度測定用の箱は電源を切っておいてよい。
なゆた望遠鏡を立ち上げる。 †
統合制御システムから、普段の観測や観望会と同じように操作し、 望遠鏡を何か星に向けてトラッキングをかける。 (以下、詳細) * 統合制御システム(UCC)を立ち上げる。 * [プロジェクト]=>[プロジェクト開始] で観測者等を選択 * [近赤外線観測] 押す * 近赤外線観測モード画面で[観測補助]=>[観測開始] AGCC 関係でエラーが出て来るが [クリア]=>[再開]=>[実行] * [オートガイダプローブ]=>[レファレンスプロシージャ実行] * "X axis 1st Limit +" などとアラームが出るが [OK]。 * 結構時間がかかる(10分くらい?)。 * 完了したら、X-「指令位置」に 100 (mm)を入力して[実行]。 プローブを光路から退避させる。
NIC制御PCにログインする。 †
観測室の白い(りんごマークの)ルーターに自分のノートPCをつなぐ。 NIC制御PCのIPアドレスは 10.0.1.51。 ssh -X -l nicop 10.0.1.51
端末を一つぐらい立ち上げておくと便利。 †
xterm & gnome-terminal & お好きなのを。
もしもVMEラックの電源を入れた直後の場合は †
cg3_init とコマンドを入力する。
画像表示用にds9を立ち上げる。 †
ds9 -好みのオプション &
検出器の撮像テストをしてみる。 †
TL 3 2 しばらくすると J, H, K の画像が表示される。 アナログ回路箱の電源を入れた直後は画像が普段と違うかもしれない。 TL 3 2 を 2, 3回やってみる。
Kバンド画像を見てシャッターの状態をチェックする。 †
画像のカウントがゼロ付近ならシャッターが閉まっている。 その場合は、モータードライバの電源を入れてから shutter open とする。終わったらモータードライバの電源を切る。 モータードライバの電源を普段切っておくのは 検出器の画像にノイズが出ないようにするためである。 * 2012/03以降、モータドライバの電源は切らなくてもよい。
望遠鏡を目標の星に向ける。 †
なゆたの制御システム(UCC)から向けてもいいし、NIC制御PCから リモートコマンドで操作してもいい。NIC側からやる場合は、 あらかじめ観測目標の座標リストを作っておく。 1行につき object名、分点、RAの時、分、秒、Decの時、分、秒 を空白区切りで並べる。 そうしておいて point2 my_objlist NGC2770 などとすると望遠鏡がそこへ向くはず。 (高橋補足) NIC側からの天体指向で何度かUCCが落ちたことがある(原因不明)。 なので当面はUCCでの操作をおすすめする。
望遠鏡の視野回転を設定する。 †
* 指向完了したら、UCC で[視野回転]=>[AZ/EL同期]=>[実行] *「指令位置角」に 0 (deg) を入力=>[実行]。 これで、画面の上が常に北になる。 * ローテータの角度は +/-270 deg が限界。振り切れないように注意。 方向が大きく違う天体を向けるときには、[非同期]にし「指令角度」 を0 degに戻してから、同期し直すのが無難。 *「実位置角」「指令位置角」が、天球上の方向のこと。 *「インストメンタルローテータ/カセグレン焦点」枠内の 「実角度」「指令角度」は器械的な角度のこと。
星が導入できたか TL コマンドで確かめる。使い方は †
TL mode exptime で、チェック用には mode は 3 でいい。 TL 3 10 (これは10秒露出)
望遠鏡向きの微調整には、ハンドセットを用いる。 †
* UCC: [ハンドセット]=>[有効]=>[実行] * 制御室内のハンドセットボックスで[ENABLE]。「MODE」は[alpha/delta]。 * 「CONTROL BUTTON」で調整 * 「赤外線観測モード」画面の「オフセット」数値入力は、ディザリング観測 のときに、上書きされてしまう。
フォーカスを合わせるのは、統合制御システムからやってもいいし、 †
NIC側から focus -5.91 などとやって動かしてもいい。 * 以下のコマンドで、室内温度からフォーカス位置を推定できる。 ただし、あまり厳密ではない。 calfocus.sh dome_temp(摂氏) 例えば、calfocus.sh 12.3
実際に撮像データを取るには、Lo コマンドか DL コマンドを使う。 †
Lo の使い方 †
Lo mode exptime(秒) [object_name [num]] object_name は FITS ヘッダの OBJECT キーの値になる。 省略すると OBJECT='TEST'。 num は画像を取る回数を指定する。省略すると 1。 Lo 3 30 NGC2770 10 は mode 3 で30秒積分の画像を10回取る。 (J, H, K それぞれ10枚、合計30枚のFITSファイルができる)
DL の使い方 †
DL はディザリング用のコマンド。 DL mode exptime [object_name [dith_num [dith_radius]]] dith_num は視野をずらしながら何回撮像するかを指定する。省略すると 10。 dith_radius はずらす半径を角度秒で指定する。省略すると 10arcsec。 DL 3 30 NGC2770 10 は mode 3 で30秒積分の画像を、視野を半径10秒角でずらしながら10回取る。 ずらし方は、中心1回、円状に9回。 終わったあと、視野は元の位置に戻る。はず。
mode について †
モードは TL, Lo, DL に共通で、画像データの取り方を決めるパラメータ。 以下にモード 3(4), 43(44), 83(84) について説明するが、要するに、 mode 83 は時間がかかるが mode 3 に比べてノイズが小さい、ということ。
mode 3: J, H, K 3バンド同時に同じ積分時間(露出時間)で取る。 mode 4: 3バンドの積分時間を個別に指定する。積分時間の指定は J, H, K の順にカンマ','で区切って並べる。 DL 4 60,40,20 NGC2770 5 (J=60, H=40, K=20秒で5ディザリング) mode 3, 4 ともに最短積分時間は2秒。 mode 4 の場合は、ある2つの積分時間の差が2秒以上でないといけない。 mode 3, 4 は CDS (Correlated Double Sampling) を行う。 mode 3 では reset, x, read1, exposure, read2 という流れでデータを取り、結果は (read2 - read1) である。(反対かも) reset は検出器のリセット(フレームリセット)、 x は検出器を空読みすることを表す。 積分時間は read1 の開始時点から read2 の開始時点まで。 mode 4 では例えば reset, x, read1_jhk, exp1, read_k, exp2, read_h, exp3, read_j といった流れとなる。この場合、Hバンドのデータは (read_h - read1_jhk) で、 積分時間は read1_jhk の開始時点から read_h の開始時点までになる。
mode 43: JHK同じ積分時間で Fowler Sampling を行い4回平均する。 mode 44: mode 43 と同じ方式で積分時間をJHK個別に指定する。 これらのモードでは最短積分時間は10秒、さらに mode 44 では ある2つの積分時間の差が10秒以上でないといけない。 mode 43 では reset, x, r1, r2, r3, r4, exp, x, r5, r6, r7, r8 という流れで8回の検出器読み出しを行い、得られる結果は ( (r5+r6+r7+r8) - (r1+r2+r3+r4) ) / 4 になる。 積分時間は r1 の開始時点から r5 の開始時点まで。
mode 83: JHK同じ積分時間、Fowler Sampling、8回平均。 mode 84: 積分時間を個別指定する。ただし3つすべて違う時間にはできない。 Lo 84 120,90,60 NGC2770 4 はダメ、 Lo 84 120,120,60 NGC2770 4 はOK。 これらのモードでは最短積分時間20秒。mode 84 では2つの積分時間の差が 20秒以上ないといけない。 mode 83 では reset, x, x, 1, 2, 3, ..., 8, exp, x, x, 9, 10, 11, ..., 16 という流れでデータを取る。
フラットフレームを取る †
ダークフレームを取る †
これらはまだ決まったやり方がない、各自考えてもらいたい。 shutter close して、Lo コマンドを使って取ればよい。 高橋の解析スクリプトを使う場合は、天体名を"DARK"とする。 Lo 3 20 DARK 15
画像データの保存場所 †
取った画像データは、NIC制御PCの /data/110730/rawdata/ などのディレクトリの 下に、順番に番号をつけて保存される。(TL コマンドで取ったデータは保存されない) ファイル名は例えば k110730_0035.fits などになる。 日付のディレクトリは画像を取ると勝手に作られる。夜中12時を過ぎても、翌朝 8時になるまでは前日の日付のディレクトリが使われる。夜中の3時ごろから 観測を始めても前日の日付になるので注意。
注意点 †
DL 84 60,60,30 NGC2770 10 10 などとやったが、何かの理由で途中で止めたくなった場合、別の端末から xstop と入力すると、運が良ければコマンドが停止するかもしれない。 ただし現在進行中の積分はそれが終わるまで止まらない。 どうしても積分をすぐに止めたい場合は cogito3_reset としてみるとか?
なゆた望遠鏡をシャットダウンしたあとにダークフレームを取ったりしていると ERRORの表示が出る。これは望遠鏡と通信ができなくなったためで、FITSヘッダ の情報が欠けるかもしれないが、画像データ自体は保存されるはず。 どうしてもうっとうしい場合は telescop status とするとエラー表示は出なくなるはず。後で telescop control としておかないと次の観測で望遠鏡と通信しなくなるので注意。 dark というコマンドを作って(実は今も暫定版があるが)その中に 入れておくという手もある。