研究テーマ/Specialities
連星に付随する巨大ガス惑星の探査/Search for Gas Giant Planets in Binary Systems
太陽系外惑星は、太陽型星(FG型主系列星かつ単独星)を中心に検出されてきました。一方、FG主系列星の半数以上が連星をなすことが分かっています。さらに若い恒星では、連星が占める割合が主系列星より高いことが示唆されています。星形成と惑星形成を一体として捉えるとき、連星に付随する惑星についての知見は役立つと考えられます。
連星をなす2つの星(主星と伴星)の間の距離を連星間距離と言います。連星間距離が20AU (1AU=太陽-地球間の平均距離)より短い連星では、主星や伴星の周りで巨大ガス惑星は見つかっていません。巨大ガス惑星はまだ見つかっていないだけなのでしょうか?そもそも形成できないのでしょうか?こうした疑問に答えようと連星を対象に巨大ガス惑星を探しています。
視線速度法/Precise Radial Velocity Measurement
太陽系外惑星を検出する手法はいくつか存在します。本研究では、視線速度法を用いて太陽系外惑星を探しています。視線速度は、天体の運動速度の視線方向成分になります。惑星などの伴天体を保持する恒星は、共通重心を公転運動するので、公転周期と同じ周期で視線速度が変化します(右図参照)。
惑星のような軽い伴天体を検出するためには、視線速度の測定精度が数m/sと高精度である必要があります。本研究では、観測の際に恒星のスペクトルにヨウ素のスペクトルを焼き付け、ヨウ素のスペクトルを基準に解析的に視線速度を計算しています。