解説:スペックル干渉法

speckle sys

スペックル干渉法は1970年代に実用化され、主として可視光での観測に用いられてきた。まず短時間の露光で、大気揺らぎを凍結した瞬間瞬間の天体像を多数枚取得する。この短時間露光像をスペックル像(Speckle frames)という。この画像から、コンピュータを使った「統計的方法論による像再生アルゴリズム」によって、大気揺らぎの情報と天体像の情報とを分離または抽出する。像再生アルゴリズムには様々な方法が提案されていて、観測対象によって使い分けられる。またスペックル干渉法に基づいた像再生アルゴリズムには、アダプティブオプティクスのような参照星による測定を必要としないものが多い。それは、可視光において大気揺らぎの影響を同一と見なせる範囲が10秒角以下と狭く、観測天体の近くに参照星を見つけることが絶望的であるという事情によっている。