大気の影響のせいで地上にある多くの大型望遠鏡はピンボケです。望遠鏡は、光を集める鏡の直径が大きくなるほどシャープな画像を得られるはずなのですが、このピンボケのため画像のシャープさは大気の状態だけで決まってしまいます。可視光で見る場合、典型的には口径10cmの望遠鏡の能力で頭打ちです。
この影響を除去して、望遠鏡の口径に見合ったシャープな画像を得る方法が、近年のコンピュータ技術や機械制御技術の発展によって可能になってきました。
によって「機械制御的に」大気揺らぎの影響を取り除いた2重星像
によって「画像処理的に」大気揺らぎの影響を取り除いた2重星像の画像情報
上の4つの画像は、パワースペクトルという画像情報で、全て2重星の画像から得られたものである。縞模様の間隔から2つの星の間隔を求めることができ、縞模様の並んでいる方向は2つの星が並んでいる方向に等しい。