Staff/時刻サーバー深刻トラブル190804
通常、制御架1の上部に格納されている望遠鏡制御計算機(TCC)の時刻は時刻サーバ(TS)の時刻を参照しています。
時刻サーバ故障等でTCC時刻が狂ってしまった場合に、TCC時刻を修正する方法を記載しています。
電気回路を使う方法 †
時刻サーバはStaff/時刻サーバー深刻トラブル190804のときの状態 (年月日は間違っているが、時分は合っている状況) を想定
原理 †
- 時刻サーバと制御架の接続(時刻情報に関して)
- 年、年始からの通算日、パリティ: 時刻サーバ CN9 <--> 制御架 J16(アンフェノール50pin)
- 時、分、秒: 時刻サーバ CN10 <--> 制御架 J17(アンフェノール50pin)
- ピンアサインは仕様書参照(下代さんから入手)
- 時刻情報は桁ごとに2進数で表現される。
- 制御架側から見れば、時刻サーバは各ビット(ピン)をON/OFFするスイッチ。1にしたいビット(ピン)をGNDに接続すると、ON(1)になる。
- 年は西暦の下2桁YY、日付は年始からの通算日3桁DDDをカウント。これらが2進数で表現されている。
- 年は8bit、通算日は12bit。
- 時刻サーバ試験用の制御架模擬回路(以下「回路」)を利用して、該当するピンをGNDに接続することで、TCCの年月日を書き換えることができる。
手順のポイント(たぶん) †
- 時刻サーバのエラーが消えてから制御架を起動する
時刻(年月日)の修正が終わったら、制御架J16, J17 からケーブルを外し、外部の時計を参照しないようにする。これにより、
TCCの時計は「自走」する。
望遠鏡の振動はなくなると予想される。
正確な時刻からのズレは日々大きくなる。
- 望遠鏡の向きが振動 (RAで2-3秒の振幅)していたら、時刻サーバの鍵を時計周りに回す。このとき回した状態を2秒程度維持してから手を離す。一度でダメなら、もう一度やってみる。
手順 †
- 制御架のすべてのスイッチをOFF
- このサイトで年始からの通算日を調べる。
- 開始日 = 2019年1月1日
- 終了日 = 設定したい日付 (例: 2019年8月7日)
- 初日を「含む」にチェック
- 「計算」を押して、出力された「日数」が通算日。(例: 219日)
- 年(西暦下2桁)と通算日を2進数に変換する。
- 注意: 例えば2019年は YY=19だが、これを2進数に変換するとき 19 --> 10011 とするのではなく、10進数の各桁の数字をそれぞれ4bitに変換する。
- つまり、年(十位) 1 --> 0001, 年(一位) 9--> 1001 という感じ。
- DDD=219は、日(百位) 2 --> 0010, 日(十位)1 --> 0001, 日(一位) 9 --> 1001 と変換する。
- 回路で1(ON)にしたいbitを接地するように、ICクリップを抵抗の根元(ダイオードとは逆側)に引っ掛ける。
- 2019年8月7日(通算219日)、2進数で YY = 0001 1001, DDD = 0010 0001 1001 のときの例
- 制御架1(正面から見て左側)の裏、J16, J17 とラベルされた50ピンコネクタにケーブルを接続する(されていることを確認する)。ケーブルとコネクタの対応関係は、ケーブルについている茶色い付箋を参照すること。
- 制御架J16に接続されているケーブルのもう一方の端が、回路の"PACK1P16"とラベルされたコネクタに接続されていることを確認
- 制御架J17に接続されているケーブルのもう一方の端が、時刻サーバの"CN10"とラベルされたコネクタに接続されていることを確認
- 時刻サーバが異常ランプが点灯していないことを確認して、制御架をONする。
- 何らか異常ランプが出ていたら、鍵を右に回し解除する。異常が出ていない状態にする。
- ucc_run を立ち上げ、実位置(ra,dec)の右横にある分点をチェック。回路を2019年に設定したのであれば、分点は2019.xxxxになっているはず。
- 回路の設定がTCCに反映されていないときは、おそらく1970.0000 になる。
制御架1(正面から見て左側)の裏、J16, J17 とラベルされたコネクタからケーブルを抜く。
- 望遠鏡を天頂に向ける。
- ステラナビ上の望遠鏡位置カーソルが星図でも天頂付近に来ていることを確認。天頂からどの程度離れているかチェック。おそらくこのズレが、ポインティング時のズレ量とほぼ同じ。
- ステラナビの望遠鏡位置カーソルが振動していないか確認。
- 振動していたら、時刻サーバの鍵を時計周りに回す。このとき回した状態を2秒程度維持してから手を離す。一度でやっても振動が止まらなければ、もう一度やってみる。
- 望遠鏡の恒星に向ける。ステラナビの望遠鏡位置カーソルが振動していないか確認。
- 観望できる条件であれば、実際に眼視で確認する。ステラナビ上で望遠鏡カーソルと星位置が一致しても、実際はずれている場合がある。
- ずれていれば、望遠鏡をオフセットさせて調整する(おそらくRA方向の調整でよい)。オフセット量は記録しておく。
- ucc_runから惑星または月を導入して、ちゃんと導入されるか確認。
なゆた使用終了後の手順 †
- UT当日中に再使用の予定がなければ、制御架のスイッチをすべてOFFにする。
- UT当日中に再使用の予定があれば、制御架の2-5番のスイッチはOFFに、1番のスイッチはONのままにしておく。
- ただし、雷対策レベル1が必要な状態になったら、1番も含めて、制御架のすべてのスイッチをOFFにする。
コマンド入力によって行う方法 †
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