31 151 33 34 兵庫県立大学 西はりま天文台 : 研究者向け
2014年(紀要 第2号)

論文リスト:


可視光多波長撮像装置MINTの測光補正観測II
 著者:高木 悠平1、新井 彰1, 2、森鼻 久美子1
 所属:1) 兵庫県立大学 自然・環境科学研究所 天文科学センター   2) 京都産業大学 神山天文台
 著者の電子メイルアドレス: takagi@nhao.jp
 Received: 2014 November 30

概要:兵庫県立大学西はりま天文台のなゆた望遠鏡に設置されている可視光多波長撮像装置MINTの色変換式を導出した。MINTは2012年度にCCDカメラの変更等に伴った改良が施されたため、 色変換式の再決定が必要となっていた。散開星団M67 をB、V 、Rc、Ic バンドでそれぞれ観測 し、変換係数を決定した。今回求められた変換係数を適用することにより、なゆた望遠鏡とMINT によって得られた機械等級を標準的なJohnson-Cousins B, V , Rc, Ic 測光システムの等級に変換 することが可能となる。

 Key words:optical photometry--performance--photometric calibration
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高校生と大学生を対象とした天文実習の受け入れ体制の整備
 著者:高木 悠平1、新井 彰1, 2、高橋 隼1、本田 敏志1、森鼻 久美子1、伊藤 洋一1
 所属:1) 兵庫県立大学 自然・環境科学研究所 天文科学センター   2) 京都産業大学 神山天文台
 著者の電子メイルアドレス: takagi@nhao.jp
 Received: 2014 November 30

概要: 兵庫県立大学西はりま天文台ではこれまでに多くの高校生や大学生の実習が行われている。2002 年より文部科学省が開始したスーパーサイエンスハイスクール (SSH) 制度により、高校教育中に 最先端の科学技術に触れる機会が増え、西はりま天文台でも実習目的の利用者が増加している。よ り多くの利用者に天文の魅力を感じてもらいやすくするために、2014 年度より高校と大学生を対 象とした実習の受け入れ体制を整備した。本論文では受け入れ体制運用の初年度の結果および今 後の検討課題を報告する。

 Key words:astronomical education
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スカイモニターの製作
 著者:細谷 謙介1
 所属:1) 兵庫県立大学理学部
 著者の電子メイルアドレス: hosoya@nhao.jp
 Received: 2014 November 30

概要: 私は西はりま天文台上空の様子をリアルタイムで撮影し、インターネット上で公開する新しい スカイモニターを製作した。カメラは一眼レフデジタルカメラ、レンズは画角が広い物を使用し た。制御システムはLinux 系のデジタルカメラ制御ソフトを用いて自動的に一定間隔で撮影を行 うようにした。今まで運用してきたスカイモニターと撮影画像を比べると、星の数や雲の位置な どがかなり明確にわかるようになった。高画質で撮影することも可能で天文学研究への応用も期 待できる。今回製作したスカイモニターの撮影画像は西はりま天文台のホームページで閲覧可能 である。

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福祉施設での天体観望会
 著者:高橋 隼1、尾崎 勝彦2、伊藤 洋一1
 所属:1) 兵庫県立大学 自然・環境科学研究所 天文科学センター   2) マリアホスピスボランティア
 著者の電子メイルアドレス: takahashi@nhao.jp
 Received: 2014 December 15

概要: 天文学による地域福祉への貢献に向けた試みとして、2014年3月に、西はりま天文台の地元・ 兵庫県佐用町にある2つの福祉施設において天体観望会を行った。観望会開催について、次のよ うな期待があった: (1) 天体観望という人々の関心が高いイベントを利用して、福祉施設と近隣地 域の交流を生み出すことができるかもしれない; (2) 星を眺め、壮大な宇宙に思いを馳せるという 非日常の体験は、施設利用者や職員のストレスを緩和したり、知的好奇心を喚起することもでき るかもしれない。実際、3月5日に行った観望会では近隣居住者の飛び入り参加もあり、観望会が 福祉施設と近隣地域の交流の一助になったことが認められた。

 Key words:star gazing--people with disabilities--local community
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洛東高校の2013年の観測天文学実習:激変星EM Cygの分光測光同時観測実習
 著者:西村 昌能1、 實本 正樹1、 野上 大作2、 松本 桂3、 今田 明4、 大島 誠人2、 中田 智香子2、小林 弘3、 増本 和成3、酒井 大輔3、古川 寿実3、福嶌 大樹3、松浦 美波3、新井 彰5
 所属:1) 京都府立洛東高等学校   2) 京都大学   3) 大阪教育大学   4) 国立天文台岡山天体物理観測所   5) 兵庫県立大学 自然・環境科学研究所 天文科学センター
 著者の電子メイルアドレス: aaagq805@kcat.zaq.ne.jp
 Received: 2014 December 26

概要: 我々は2013年5月24日と25日の2夜、激変星EM Cyg をターゲットにして京都府立洛東高等学校自然科学部の観測実習を行った。分光観測は西はりま天文台の2メートルなゆた望遠鏡に 同架された可視光分光器MALLSによって行い、波長域4500Å-7000Å、波長分解能R〜1000 の 低分散分モードを利用した。測光観測は、60cm望遠鏡 (Rcバンド)、および大阪教育大学51cm 望遠鏡 (Icバンド) を使用して行った。60cm望遠鏡での観測はCCDカメラの不調のため、利用可 能なデータを得ることはできなかった。大阪教育大学51cm 望遠鏡の測光データから光度曲線を描 き、京都大学のモデル計算コードを用いてEM Cyg の物理量を推定した。また、可視スペクトル のHα輝線の半値幅からドップラー速度を1400 km/s と求めることができたほか、各軌道位相に おけるHα輝線の形状の比較を試みた。本稿では、本校で行っている生徒観測実習の流れを示す。

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