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兵庫県立大学西はりま天文台

− NISHI HARIMA ASTRONOMICAL OBSERVATORY −

Sirius B

シリウスB

※画像はクリックすると大きくなります


     シリウス

          全天に21個存在する1等星の中で最も明るい星がシリウスです。その明るさは約-1.4等級になり、地球から見ると惑星の土星より明るく見えます。
          おおいぬ座に輝き、冬の夜空を多くの星々とともに彩ります。
          シリウスがこれほど明るいのは、夜空の星の中でも地球の近くに存在するためです。地球からの距離はおよそ8.6光年。
          シリウスは、地球から7番目に近い恒星になります(1番近い恒星は太陽、2番目は4.4光年に位置するケンタウルス座α星)。



  シリウスと冬の大三角
   シリウスは冬の大三角や冬のダイヤモンドを形作る星の一つです。



     シリウスB

          シリウスには、その周りを公転する伴星が存在します。2つ以上の恒星がお互いのまわりを公転している天体を連星と呼びます。
          明るい方が主星のシリウスAで、伴星の方はシリウスBと呼びます。普段夜空で輝いて見えるシリウスは、主星のシリウスAになります。
          シリウスBの明るさはシリウスAの10000分の1と大変暗いため、シリウスBは望遠鏡を使わないと見ることはできません。さらに工夫が必要です。
          まず、地球の空気の運動が静かなとき(星のまたたきが小さいとき)に観望します。空気の運動が激しいと、主星のシリウスAの光がぼやけて広がり、
          シリウスBを覆い隠してしまいます。さらに、シリウスBがシリウスAから離れたタイミングで観望することも重要です。
          シリウスBは、シリウスAのまわりをどのように公転するか過去の観測から明らかになっています。下の図を見ると、現在シリウスBはシリウスAから離れており、
          2020年から2025年にかけて最も離れます。一方、2040年代の中ごろには2つの星は近づいてしまうので、シリウスAとシリウスBを分けて見ることが難しくなります。
          したがって、今こそシリウスBを観望できる好機となります。



     シリウスBの地球から見た公転軌道
シリウスAのまわりを大きな楕円を描いて公転しています。したがって、シリウスAに近づくときと離れるときで、2星間の距離が大きく変わります。



     シリウスBを見よう!


     なゆた望遠鏡がとらえたシリウスB(黄色い矢印の先の点光源)
Canon EOS 5D Mark II、1/30秒露出、ISO5000で直焦点撮影、シーイング1.5"。
画像はトリミングと拡大してあります。
シリウスAから向かって右にある赤い点はゴーストです。


          現在、伴星のシリウスBは主星のシリウスAから離れた位置にいるので、シリウスBを観望できる好機となっています。
          兵庫県立大学西はりま天文台では、なゆた望遠鏡によりシリウスBの姿を写真と動画で撮影することに成功しました。
          シリウスBは、表面の温度が10000度を超える高温の星にもかかわらず暗いため、大きさは地球の2倍くらいしかないと考えられます。シリウスBの質量は太陽とほぼ同じなので、
          高密度な天体であると分かりました。シリウスBは、白色矮星と考えられています。白色矮星は、太陽質量の8倍未満の恒星が最後を迎えた天体になります。
          シリウスBはかつて、シリウスAより重く明るい恒星であったため、シリウスAより早く進化してしまい現在の姿になったと考えられています(質量が大きな恒星ほどより短命)。
          シリウスが夜きれいに見えるこの時期に、ぜひシリウスBの観望に挑戦してみましょう!


シリウスBの動画
シリウスAから向かって右にある赤い点はゴーストです。
※動画を再生するには、videoタグをサポートしたブラウザが必要です。











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